ジョシュ・ホーキンソン

「ペースを上げることができたので、中国は疲れていったと思います」

2月25日、男子日本代表はFIBAアジアカップ2025予選Window1で中国と対戦した。試合は最後までもつれる熱戦となったが、要所での遂行力で僅かに上回った日本が76-73で競り勝っている。

この試合の中国は中心的な存在である複数のベテランが欠場し、若手を主体としたメンバー構成とベストメンバーではなかった。それでもアジア屈指の強豪を相手に、FIBA公式戦で勝てたことは大きな意味を持つ。そして、この価値ある1勝をもたらしたヒーローの1人が、ジョシュ・ホーキンソンだ。

この試合、ホーキンソンは34分4秒の出場で14得点12リバウンド2スティール1ブロックと攻守にわたって奮闘した。そして残り1分には「常にトラップなどで前から積極的に仕掛けることを狙っています。(相手のガードは)ハーフコートラインを超えたばかりで、どこにも動くことができませんでした。驚ろかすことができたと思います」と振り返る、見事なトラップディフェンスで相手ポイントガードからスティールに成功。そのまま決勝点となるダンクを決めるなど、ここ一番での活躍が光った。

第1クォーター、日本は中国の高さに苦しんでのタフショットが続き、3-14と出だしでつまずいてしまう。しかし、そこから攻守でアグレッシブさを取り戻すことで、19-20と肉薄した。第1クォーターを1点差で終えたことが勝利に大きく繋がったが、ホーキンソンは、このように序盤を振り返る。「中国は僕たちより大きいチームで、みんなでリバウンドを取りに行って、ボールをプッシュしないといけないです。最初の5分は少しタフでしたけど、そこから落ち着いて自分たちのリズムを見つけて、簡単にプレーできるようになりました」

そして、「自分たちのプレーをすることにフォーカスしました。ペースを上げることできたので、中国は疲れていったと思います」と、日本のやりたいアップテンポな展開に持ち込めたことが大きな勝因になったと考える。

また、経験不足の若手がプレーしていた中国に対し、もう1つのアドバンテージを強調することも重要視していたとホーキンソンは言う。「中国は高いし、スキルもありますが、若い選手も多かったです。経験の面で僕たちにはアドバンテージがあると話しをしていました。よりフィジカルにプレーすることを意識しました」

ジョシュ・ホーキンソン

「『俺にボールをくれ、40点を取ってやる』といったスタイルでプレーしたことは一度もない」

日本がアップテンポに持ち込めた理由として、ホーキンソンの数字に出ない献身的なプレーが大きく関与していたのは間違いない。「ガード陣にはできる限り走り続けると伝え、その中で僕にパスを出さなくても問題ないと伝えていました。僕が走ることで、味方がアタックできるレーンを生み出すことができます。その結果、ガード陣がレイアップ、3ポイントシュートの機会を作れます」

こう語るホーキンソンは今日もフル稼働となったが、それは想定の範囲内だと続けた。「国際大会ではいつも(多くの時間をプレーして)疲れるものです。それは特別なことではないです。慣れていますし、ファンの声援がエナジーをくれることで、強さを取り戻すことができました」

今回の中国戦は、渡邊雄太、富永啓生と、ワールドカップ2023で得点源となったアメリカ組が不在だった。それだけにホーキンソンには、チームの柱としてより大きな期待が寄せられていた。だが彼は「(渡邊、富永不在で)自分がよりチームを引っ張る必要性があったとは思わないです。どんなメンバーでも、僕たちはチームとしてよくまとまって戦う方法を見つけないといけない」と語った。そこには、自分のやるべきことはチームの歯車の一つとなりどんな細かい仕事もこなしていくことで、エゴを決して出さないという強い矜持がある。

「僕は『俺にボールをくれ、40点を取ってやる』といったスタイルでプレーしたことは一度もないです。僕はずっとチームプレーヤーです。今日は途中で肩を激しく打ったことでシュートの調子が良くなかったです。だからガード陣には、『アタックすること、リバウンドやスクリーンで味方をオープンにすることなどで貢献していく』と話していました。試合に臨むメンバーや状況によって、自分のやるべきことも変わっていきます。1人が得点を取りにいくのではなく、試合毎に違う選手がステップアップしていくのが僕たちです」

ホーキンソンはグアム、中国相手に連勝した今回の代表活動を「ワールドカップの後、より大きな期待が集まり、より大きな目標を目指す中で良いスタートとなりました」と総括した。そして、パリ五輪の8強進出に向け、実力者が揃う帰化選手の中でも、ホーキンソンこそが日本代表のスタイルに最も適した選手であることをあらためて証明した一戦となった。