コール・アンソニー

コール・アンソニーとモリッツ・バグナーに存在感

マジックは2019-20シーズンを最後にプレーオフから遠ざかっているが、今回はチャンスを迎えている。オールスターの時点で30勝25敗、大混戦の東カンファレンスの7位に位置しており、順位を上げてストレートインできる可能性もある。そんな状況で迎えたシーズン再開、キャバリアーズ戦で116-109の勝利を収めたことは、チームにさらなる勢いを与えそうだ。

キャブズはエースのドノバン・ミッチェルを体調不良で欠いていたが、マジックもエースのパオロ・バンケロが体調不良で出場が危ぶまれ、何とか試合には間に合ったものの本来の力強さを発揮できなかった。さらにジェイレン・サッグスが試合中に相手の肘を顔面に受けてプレーを続けられず。マーケル・フルツの戦線離脱も長引いており、主力が揃っていたわけではない。

それでもキャブズ相手に食らい付き、第4クォーターに試合をひっくり返して勝利を収められたのは、激しく粘り強いディフェンスが崩れなかったことに加え、セカンドユニットが奮起したことで主力が抜けた穴を感じさせなかったからだ。シックスマンのコール・アンソニーはいつものようにセカンドユニットのオフェンスを引っ張り13得点6アシストを記録。さらにモリッツ・バグナーはベンチから出てジャレット・アレンと渡り合いつつゲームハイの22得点を挙げた。

10人でローテーションを回したマジックにおいて、先発5人の53得点に対し、ベンチメンバーが63得点を挙げている。どの時間帯にも力が落ちず、第4クォーター終盤にはアンソニーとモリッツがクロージングラインナップに入った。強行出場で苦戦していたバンケロは、最後の最後で勝利を決定付ける3ポイントシュートをヒットさせてエースの仕事を果たしている。

コール・アンソニーは「キャブズは今の東カンファレンスで一番ノッているチームで、その試合で僕らは精神的にすごく良い準備をして、集中してプレーすることができた。この勝利は僕らにとって大きな意味を持つ」と語る。セカンドユニットの活躍については、「ここからNBAで最高のセカンドユニットになれると信じているよ」とさらなる高みを目指す。

モリッツ・バグナーはまだ26歳だが、このチームではジョー・イングルスとギャリー・ハリスに続く3番目のベテランで、彼自身がリーダーシップの役割に重きを置いている。「本当に強いチームにとっては今からが本当のシーズンなんだ。僕らは若いチームで、まだその域には達していないけど、そうなりたければ今こそチームの課題を認識し、改善しなければならない。それが今の僕たちに必要なメンタリティなんだ」

ただ、高い理想を掲げると同時に、モリッツは今のチームの歩みが間違っていないと語る。「僕らは良い連携が取れていて、お互いに上手く噛み合って戦えている。僕たちが一貫性を保って良いプレーをしている時、相手チームがそれを崩そうと思えば相当なエネルギーが必要になる。だからこそ僕らはフィジカルでの優位を生かす今の戦い方を続けていくんだ」

チーム全体のコンディションは万全とは言わないまでも、キャブズとの真っ向勝負に打ち勝った。マジックは自分たちのバスケへの自信をますます強め、シーズン終盤戦へと飛び込んでいく。