不用意なファウルがかさみ、接戦を落とす
レバンガ北海道(9勝22敗、東地区7位)は1月20日、21日のB1第18節で千葉ジェッツ(18勝13敗、東地区3位)と対戦。2戦ともに前半は互角の展開だったが、後半に得点を離されて敗れた。特にゲーム2は、第3クォーターを1点リードで終えながら、第4クォーターで千葉Jに23-31のビッグクォーターを作られ、82-89で惜敗した。
小野寺龍太郎ヘッドコーチは、ゲーム2を以下のように振り返った。「昨日のゲーム(79-98)からある程度修正はできましたが、最終盤のリバウンドやターンオーバーで自分たちのアテンプト(シュート本数)を減らし、千葉さんを勢いに乗せてしまったのが勝敗の大きなポイントになったと思っています。特に第4クォーター残り5分を切ってからの千葉さんのパフォーマンスは素晴らしく、チームとしての強さを非常に感じさせられました」
在籍3シーズン目、今シーズンよりキャプテンを務めるポイントガードの寺園脩斗は、ゲーム2で14得点(フィールドゴール6/11本)8アシストと躍動。まぎれもなく激戦の中心人物だったにもかかわらず、プレータイムは21分30秒と長くない。前半の早いタイミングから不用意なファウルがかさんだからだ。
「島谷(怜)選手が頑張って繋いでくれてはいたけど、僕がファウルをしていなければ普段どおりのプレータイムが確保できて、状況が変わっていたかもしれない。ディフェンス面でもプレータイムを分散させないと千葉さんに対抗できるような強度は持続できない。反省しなきゃいけないです」
寺園はこのように悔やみ、双方が一進一退の攻防から抜け出す機会をうかがっていた第4クォーター残り2分8秒、マッチアップしていた原修太に4点差とされる3ポイントシュートを沈められたシーンについて尋ねられると、同5分48秒に犯した4つ目のファウルが判断を狂わせたと明かした。
「ボールプレッシャーをかけてドライブさせるという選択肢もありましたが、ここでファウルをして自分が退場したらいけないと思って、ちょっと下がり気味で守りました。それでも簡単なシュートを打たせたつもりはないけど、決められてしまいました」
フィールドゴール3/10に終わったゲーム1からカムバック
ただ、オフェンスにおけるパフォーマンスには一定の手応えを得ている。特にフィールドゴール3/10本の9得点に終わったゲーム1からカムバックして精度の高いシュートを沈め、ターンオーバー0で収めたことは大きい。「今日は昨日のゲームを見返して、どのような形で、どこで打てば良いかをちゃんと判断できていたと思います。持ち味とする、オールコートでスピードに乗ってズレを作ってからの得点やアシストが昨日よりできたのもよかったです」
北海道の平均得点はB1リーグ20位の74.2得点。「得点力やタレント性が大きく優れてるチームではない」と話す小野寺ヘッドコーチは、チームの生命線を相手の得点を70点以下に抑えるディフェンスと見定め、ここまでの平均失点は昨シーズンの88.1を下回る80.7としている。とは言え、バスケットボールは得点を入れなければ勝てないスポーツで、ビッグマンや外国籍エースが2桁得点を重ねるだけではB1で勝ち星は増やせない。
寺園は昨シーズンからシュートアテンプトを増やし、得点アベレージを2桁に乗せ、昨年末の富山グラウジーズ戦では27得点、3ポイントシュート5本成功のキャリアハイを達成している。自身が点を取らなければ勝てないという責任感はあるかと問われると、寺園は「それはやっぱりありますね」と答え、続けた。
「ここ数試合、大事な場面でシュートを決めてきました。今日もそのチャンスはあったけど、自分が無理に打つよりはパスで仲間を生かすということを選択したんですけど、シュートタッチも良かったし、自分が責任感を持って、無理にでも打ってもよかったのかなっていうふうに思ってます」
北海道は今週末、約1カ月ぶりにホームに帰って信州ブレイブウォリアーズ(5勝26敗、中地区7位)を迎え撃つ。冷静な判断と『チームを勝たせる』という確固たる意志を持って放たれる寺園のシュートは、仲間たちに求心力、そしてファンに笑顔をもたらせるか。
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