渡邊伶音

「ディフェンスやリバウンドでやりきろう」

ウインターカップの準決勝、福岡大学附属大濠は土浦日本大学を相手に序盤から優位に試合を進め、71-57で勝利を収めた。大量リードを奪ったわけではないが、常にリードを保つ盤石の勝利だった。

この前日、準々決勝での土浦日本大学は、3ポイントシュートを次々と決めるオフェンス合戦の末に94得点を奪って日本航空を撃破している。これに対して大濠はペースを落とし、相手の3ポイントシュートを徹底的に抑える守備的な戦い方を選択。ロースコアの展開に持ち込んで相手の持ち味を発揮させなかった。土浦日本大学の3ポイントシュートは26本中8本成功。日本航空との試合では51本打った3ポイントシュートのアテンプトを半減させたことに意味がある。

片峯聡太コーチは「お互い疲労も溜まっている中で、タフにディフェンスをやれるチームが間違いなく勝つ」と選手たちに檄を飛ばしていた。前日に28得点の齋藤翔太と18得点の北條勇吹、3ポイントシュート26本を打って9本を決めた2人を自由にさせず、インサイドでは昨日19得点11リバウンドの深澤桜太に渡邊伶音がマッチアップした。

結果として渡邊は22得点14リバウンド、ブロックショット4つと攻守に大活躍。試合序盤は「日本人対決でやってやろうという気持ちが強すぎて、肩の力が入りすぎていました。フィニッシュがいつもの感じと違いました」とシュートが決まらず苦労したが、仲間が積極的に攻め続ける状況に励まされ、「今日はタッチが悪いかもしれないから、ディフェンスやリバウンドでやりきろう」と気持ちを切り替えた。

「フィジカルにやり続けたことで相手を消耗させられた手応えはあります」と渡邊は言う。土浦日本大学の3ポイントシュートの爆発力は、深澤がペイントエリアを制してのインサイドアウトにより成り立つ。渡邊がここで深澤を封じたことは、大濠が試合の主導権を握る大きな要因となった。

試合が進むにつれてリズムに乗ってきた渡邊は、ディフェンスとリバウンドへのエネルギーを落とすことなくシュートも決め始めて、もう手が付けられなかった。他のチームメートもゲームプランを忠実に遂行。かくして土浦日本大学に付け入る隙を与えないまま40分間を走り通した。

片峯コーチは「第2クォーターにタイムアウトを取った時は崩れかけたんだけれども、そこで選手たちが修正して、そこからはタイムアウトを取る必要がないぐらいしっかりやってくれました」と選手たちの遂行力を称えた。

今年の大濠は下級生主体のチームとあって、渡邊は大会が始まった時点で「この大会期間中も成長したい」と抱負を語っていた。3試合を終え、ファイナル進出を決めたことで渡邊には確かな手応えが生まれている。「点差が付く試合はなかなかないんですけど、今日も土浦日本大学さんに6点差ぐらいまで差を詰められた時に、それでも『慌てない、慌てない』と声を掛け合うところだとか、やり続ける力が大会を通じて徐々に高まっていると思います」

「3年生がすごく引っ張ってくれています。2年生は点を取るとかプレーの部分で仕事を任せられていて、そこはもう思い切ってやるだけです」