「あとは上がっていくだけだと信じている」
グリズリーズのジャ・モラントは、2度に渡って拳銃を持った動画をSNSに投稿するというオフコートでの問題行動により、開幕25試合の出場停止処分を課せられている。エース不在に加えてケガ人も続出し、昨シーズンは51勝31敗だったグリズリーズはここまで6勝17敗と低調な出来。それでも、モラント抜きの試合は23まで消化した。現地12月19日のペリカンズ戦から、彼はプレーを再開できる。グリズリーズを率いるテイラー・ジェンキンスは、モラントのコンディションについて「完璧」と答えており、出場停止が明けたらすぐに活躍してくれると期待を寄せる。
そのモラントが昨シーズンの最後以来となる会見に応じた。「出場停止期間中ずっと、みんながサポートしてくれたことに感謝している。コートに立つことができず、仲間たちが戦うのをただ眺めているのはキツかった。でも、チームと一緒に行動でき、練習して会話ができたのは、僕にとっては良いことだった。バスケは僕が人生を通じてやってきたことで、バスケのおかげで僕がある。そして僕には家族やチーム、他の仲間たちがいて、この時期を支えてくれた」」とモラントは言う。
「僕は多くの間違いを犯してきた。この期間中に多くのことを教えてもらい、多くのことを学べたと思う。自分の生き方を後悔しているわけじゃないけど、今回はこれまでの過ちを反省し、家族のためにも必要だと感じたプロセスを踏む機会を得られて良かったと思う」
長い長い出場停止の期間、勝てないチームを見ていて「罪悪感があった」とモラントは言う。「僕はプレーできない。誰だって負けるのは嫌だ。だから本当は勝利のためにプレーしたいんだけど、他ならぬ僕自身の行いのせいで、それができなかった」
これまでのチームの戦いぶりは映像で細かくチェックしている。「ほとんどの選手は長く一緒にプレーしているし、新しい選手もいるけど、僕はポイントガードとしてみんなのことを学んで、彼らがどんなプレーを好むのか把握しなきゃいけない。チームについては心配していないよ。ケガ人は多いけど、僕らは長らく『ネクスト・マン・アップ』のメンタリティで戦い、結果を出してきたじゃないか。そうなるまで時間はかからないはずだ。あとは上がっていくだけだと信じている。プレーオフはしばらく先のことだから、まずはオフの日も含めて目の前の一日一日を大切にしたい。とにかく今に集中するんだ」
復帰に向けた長いプロセスが終わろうとしていることに、モラントは興奮を隠さない。「なんだか、あっという間だった気がする。何度でも言うけど、チームのみんなと一緒にいられたことが僕にとっては本当に良かった。ずっと復帰まであと何日か数えているんだ。毎朝目を覚ますたびに『あと何日だ』ってね」
「自分を見失い、僕とは違う誰かになろうとしたり、僕とは全く違う行動を取ったりしないことが一番大事だ。僕はNBAプレーヤーであり、父親であり、兄弟であり息子なんだ。そのことを忘れず、毎日自分にできるベストを尽くす」とモラントは言うが、同時に自分に向けられた冷ややかな視線も意識しているのか、こうも語っている。
「行動以外では誰も僕のことは信じてくれないと思う。だから言葉は誰にも何の意味もない。僕はただ、自分の役割を果たすためにコートに戻る。余計なことは考えず、試合に出るたびに自分のすべてを出し切り、勝つことに集中する。それだけなんだ」