「レイカーズ戦の後、早く試合がしたかった」
ペリカンズはインシーズン・トーナメントの準決勝に進んだが、レイカーズに89-133という大敗を喫した。タイトル獲得へ意欲を燃やすレブロン・ジェームズとは対照的に、ペリカンズの選手たちは大一番への集中力が感じられず、特にザイオン・ウイリアムソンはわずか13得点、コートに立っていた時間帯の得失点差-33という絶不調だった。
初のトーナメントが注目を集めた反動で、ザイオンへの批判もいつも以上のものになった。「レブロンは39歳でNBAを牽引しているが、ザイオンには成長が見られず、彼がリーグの主役を引き継ぐという期待は捨てるべきだ」という意見もあれば、もっとストレートに「太りすぎで努力が足りない」という批判もあった。
その4日後、リーグ再開となるティンバーウルブズ戦で、ザイオンは批判を跳ね返すパフォーマンスを見せた。ウルブズは今のリーグで最高の成績を収めており、その原動力はルディ・ゴベアとカール・アンソニー・タウンズのビッグマンコンビを軸にするディフェンスだ。そのウルブズを相手にザイオンはシーズンハイの36得点を記録。フィールドゴール17本中13本を決め、フリースロー12本を得て10本を決めた。
59-52とペリカンズがリードして迎えた後半の開始直後、ドライブからのスピンムーブでタウンズをかわしたザイオンは、ゴベアのファウルを受けながら難しいレイアップを決めた。ザイオンはバスケット・カウントを獲得し、ゴベアは個人ファウル3つ目。第3クォーター中盤に4つ目のファウルを犯したゴベアがアグレッシブな守備を封じられると、ウルブズの勝ち目は薄くなった。
試合後のザイオンは「僕の一番の目標はチームの勝利に貢献することだ。勝利はすべてを癒してくれる」と機嫌良く語る。「レイカーズ戦から学ぶことは多かったから。実際、ひどい出来だったと思う。あらゆる面で相手が上だったし、僕らは気持ちの準備ができないまま試合に入ってしまった。僕らには可能性があるけど、まだまだ課題も多い。優勝争いがしたければ、努力や集中を欠く日があってはならない」
ザイオンには常に批判が付きまとう。その状況について彼はこう持論を語った。「批判が僕の成長への期待から来るものであれば、ありがとうと言いたい。でもそれ以外の意図であれば、みんなそれぞれ意見があるもので、僕にコントロールできることじゃない。僕にとっては16歳からずっとそうだ。リーグで最高の選手になりたいなら、上手くいかないことがあればとやかく言われる。それよりも自分で何とかできることに集中すべきだ。自分自身、チームメート、コーチ、チームについてね」
そしてザイオンは「レイカーズ戦の後、早く試合がしたかった。その前にチーム練習を2日間みっちりやれたのも大きかったと思う。僕らはその機会を最大限に活用できた」と言い、待ちに待った試合が始まる際に、世間での批判とは対照的に大声援で彼を迎えてくれたニューオリンズの観客への感謝を語った。「試合前は集中していたので歓声は耳に入ってこなかったけど、ホームアリーナで自分への愛情を感じるのは良いものさ。ドリュー・ブリーズ(NFLニューオーリンズ・セインツを優勝に導き、スーパーボウルMVPとなったレジェンド)も、僕より前にペリカンズにいた選手もみんなこう言うんだけど、ニューオリンズを愛する者はニューオリンズに愛されるんだ。だから僕はこの街とファンを失望させないよう頑張るよ」