田中こころ

前回大会はまさかの3回戦敗退を喫した桜花学園は夏のインターハイ、秋のトップリーグも優勝を逃し、ウインターカップでのタイトル奪還に燃えている。今年はシューターの田中こころと司令塔の黒川心音のダブルキャプテン体制。コミュニケーションを大事にしながら、ディフェンスからブレイクを出す伝統のスタイルに磨きをかけている。田中主将に女王復権への思いを聞いた。

「2年生の時よりコミュニケーションが増えました」

——前回大会を振り返ってもらえますか。

東海大学附属福岡に1点差で負けて、チーム力を上げていかないと勝てないと思いました。

——今年はキャプテンとしてチームをまとめています。

2年生の時に比べて発言量が増えました。喋るのが好きなので、コミュニケーションも増えて楽しくできています。自分だけが一方的に喋るより、全員で話し合える空気作りを意識しています。新チームになって先輩だけが言うのではなく、下級生からも思ったことがあったら言う、というのは変えました。

——3年間で個人的に成長したのは。

3年生になってキャプテンも任されて、ここぞという時にシュートを決めるという気持ちの持ち方は変わりましたね。

——成長は誰の影響が大きかったのでしょうか。

親です。試合後とかによく話します。バスケ未経験やから、両親ともバスケのことじゃなく精神的な面を言ってくれました。マインドセットができたのは、親の言葉があったからです。ほとんど褒めないんですよ。「これあかんやろ」とすごい指摘してくるけど、最終的には「自信もってやり」と言ってくれます。

——個人としてどういう大会にしたいですか。

3年間の集大成として1回戦から相手に合わせず、桜花らしいバスケを全力でやるのが一番。どんな相手でも40分間継続してやれるようにしたいです。

——井上コーチは基本的なシュートを落としているのが今年の負けに繋がっていると指摘しています。

練習中のフリースローやイージーシュート、レイアップに対する緊張感が足りないと思っています。一人ひとりが常に試合をイメージしてやらないといけない。試合でもフリースローをポロポロ落としていたので、それが出たと思います。自分たちが「決め切って」と言うべきでした。

フリースローを打つ前にも「しっかり1本決めよう」と言うだけで、言ったからには自分自身が徹底して絶対に決めないといけない、となります。言うだけでも全然違うので、「3年生全員が発言することが大事」と伝えています。

——代表にも名を連ねました。

U18の『日・韓・中ジュニア交流競技会』ですね。初めて選ばれたわけじゃなく、U16とU18で2回選ばれています。経験にはなりましたが、あくまで通過点という感じです。

——チームとしてのメッセージもお願いします。

桜花学園伝統のディフェンスからのブレイクをやり続けていくので、そこを注目してほしいです。どんな試合も楽しくやるのが今年の良いところなので、そこも見てください。