写真=小永吉陽子

サイズに勝るオーストラリア代表に対し、試合勘のない日本代表は大敗を喫す。

「バスケットボール女子日本代表国際強化試合2016 三井不動産 BE THE CHANGE CUP」が今日からスタート。リオ五輪への出場を決めている女子日本代表は、オーストラリア代表との3連戦の初戦を迎えた。

FIBAランキング2位のオーストラリアはサイズで一回りも二回りも勝る相手。高さと強さを生かした堅固なディフェンスを崩せず、相手に主導権を握られてしまう。オーストラリアがインサイド主体ながらも外からの3ポイントシュートも決め、バランス良く得点を重ねたのに対し、日本代表はリズムに乗れず、散発の攻撃においてもミスが出てしまう。

19-46と大きくリードされて迎えた後半、日本代表は機動力を生かしたプレーでしばし流れを引き戻す。第3クォーターは髙田真希が6得点、間宮佑圭が5得点と見せ場を作るが、それでも点差は縮められず。第4クォーターも5-15と突き放され、最終スコア41-80で敗れた。

3月中旬にリーグ戦が終わった後、実戦から離れていて試合勘がなかったのが大敗の最大の要因だろう。ただ、フィジカルで上回る相手に対して終始圧倒され、オーストラリアの強さ、つまり世界のレベルの高さを改めて感じさせられる試合でもあった。

わずかながら見せ場は作ったものの、収穫よりも課題のほうが多い試合。特に日本代表の生命線とも言うべき3ポイントシュートが、25本打って1本も決まらなかったのはショックな出来事だった。内海知秀ヘッドコーチは言う。「オフェンスのリズムが良くなかった。そしてノーマークで打てるシュートも決め切れなかった。その両方が課題です。チームとしても個人としても、もう一度やっていかないといけない」

「今日よりも明日、明日よりもその次。ステップアップをしっかりして最終的なところまで行きたい」と指揮官は語った。キャプテンの吉田亜沙美もこの試合で得たことについて「逃げずに向かっていくという形を取りながら学んでいきたい。ゲームの中で肌で感じる部分がたくさんあったので、そこをどう自分にプラスにしていくか」とコメントしている。

劣勢の展開にあって孤軍奮闘、見せ場を作った髙田。

大敗の中で意地を見せたのが、両チームで唯一30分以上コートに立ち、13得点と気を吐いた髙田だ。「オフェンスリバウンドを簡単に取らせてしまったので、チームとして徹底して相手に取らせない。そのボールを弾いてルーズボールにしても自分たちが取らないといけない。ノーマークのシュートはきっちり決めてくるので、そういうところを抑えないと」と課題を述べながらも、「あと2試合、今日みたいなゲームをしてしまうともったいないので、今日出た課題にしっかり対応していきたい」と、9日と10日に東京で行われる試合に意識を切り替えた。

キャプテンの吉田は第2戦と第3戦への課題をこう語る。「チームの約束事やディフェンスとオフェンスのルールを徹底してできなかった。次の試合で日本らしいバスケットとブレイクの形をどれだけできるか。誰が出ても日本のバスケットをするということをまず第一に考えて、その中で自分のプレーを出しながらチームに貢献していくという形を取れるように。私自身もポイントガードとしてリズムを作りながら味方の良いところを引き出していきたい」

また、A代表に先だって試合が行われたU-23日本代表と韓国のKDBウィナーズの試合は、U-23日本代表が82-61で快勝した。安定したディフェンスからの速攻に加え、10本もの3ポイントシュートを決めるなど攻守が噛み合った。

日本代表の選手たちは熊本地震の被災者支援のための募金も行われた。U-23の試合のハーフタイムにはA代表、その試合後にはU-23代表の選手たちが募金活動を実施。アオーレ長岡に足を運んだ多くのバスケットボールファンが募金に協力した。