ルビオに代わるポイントガードは19歳のフアン・ヌニェス
スペインは2019年の前回大会王者であり、アメリカを抑えてFIBAランキング1位の優勝候補ですが、前回のワールドカップでMVPを獲得したリッキー・ルビオが出場を取りやめ、昨年のユーロバスケットでルビオに代わってポイントガードのスターターを務めたロレンゾ・ブラウンもケガで欠場となります。しかし、それは新たな若い世代の活躍に繋がるかもしれません。
スロベニアとの親善試合ではグリズリーズのサンティ・アルダマが18得点6リバウンド7アシスト2ブロックを記録し、チームに勝利をもたらしました。3ポイントシュートが上手いだけでなく、細かいフェイクからディフェンスの逆を突くドライブ、オフボールでのダイナミックなポジションチェンジ、そして高速ヘルプからのブロックと、213cmの長身ながらウイングレベルのスピードと運動量を持ち、攻守両面でチームに貢献しています。
自ら仕掛けてプレーメークするタイプではないものの、質の高いフィニッシャーでありハードワーカーでもあるアルダマは、殿堂入りしたパウ・ガソルの後釜としてスペインの新たなエースになるタレントかもしれません。22歳とは思えぬ完成度を誇りながら、まだまだ伸びしろも大きく、初めて参加する世界大会で新たな『スペインの顔』になることを期待したい選手です。
そのアルダマにパスを供給するポイントガードには、ルビオに代わって19歳のフアン・ヌニェスが招集されました。アンダー世代で結果を残してきたヌニェスは、予選の5試合にも出場しており、平均17分のプレータイムで2.6アシストとまずまずの成績を残しています。身体能力で圧倒するタイプではなく、スキルと駆け引き、そして広い視野でプレーメークするタイプで、得点力に課題がある点も含めてルビオに似た特徴を持っています。
思い起こせば2008年の北京オリンピックの決勝では、ガード陣にケガ人が増えたことで17歳のルビオがスターターとして登場し世界を驚かせました。あれから15年、同じようにガード陣のアクシデントによりヌニェスにチャンスが巡ってきます。スペインが連覇するためには、19歳のヌニェスと22歳のアルダマら新たな世代が大会中に成長することが求められます。