カール・アンソニー・タウンズ

「FIBAの試合を見ていて学んだことの1つは、何だって起こる可能性があること」

FIBAワールドカップ2023において、ドミニカ共和国代表はダークホースの1つと見られている。その理由はNBA屈指のビッグマンであるカール・アンソニー・タウンズが出場するからだ。残念ながら同じくNBA選手のアル・ホーフォード、クリス・デュアルテは出場を見送ったが、タウンズがいるだけでチーム力は大きく高まる。

『ESPN』の取材に対し、タウンズは10年ぶりに同国代表のユニフォームを着る決断の背景を語った。「ドミニカの人々は代表チームに対して多くの情熱、誇りを持っている。それはワールドベースボールクラシック(WBC)を見れば分かる。この夏、間違いなく同じ盛り上がりを感じるだろうね」

「代表参加の決断をするまでにはいろいろとあったけど、まずタイミングが良かった。昨シーズンは故障があって、身体に多くの負担がかかっていない。今は感触も良く100%、自分らしさを取り戻せている。ワールドカップは自分のプレーに取り組むには絶好の機会となる」

また、「母が亡くなったことで、代表活動をしなければいけないという焦りも感じた」と言うように、タウンズの母が2020年に新型コロナウィルスへの感染から亡くなったことも、代表参加の背中を押したという。

そして、ドミニカの前評判は決して高くないが、次のようにアップセットを虎視眈々と狙っている。「ここ数年、FIBAの試合を見ていて学んだことの1つは、何だって起こる可能性があること。とても異なる雰囲気で、想像できないことを見てきた。プライドを見せ、(勝利の)チャンスを与えたい」

もちろんバスケットボールはチームスポーツで、タウンズ1人が大活躍すれば試合に勝てるものではない。しかし、彼がフィットすることで、大きなレベルアップを果たすことは十分にあり得る。グループリーグでドミニカは、開催国フィリピン、イタリア、アンゴラと同じグループAに入った。決勝トーナメント進出を果たせるのは上位2チームのみ。タウンズを擁するドミニカ共和国に注目が集まる。