組み合わせにも恵まれ『ベスト8の壁』を突破するチャンス
NBAで活躍するイタリア人選手の代表格であるダニーロ・ガリナーリは今大会には出場しませんが、ジャズのシモーネ・フォンテッキオやニコラ・メッリがNBAでのプレーを経験しています。
イタリア代表も近年で大きな躍進を遂げており、東京オリンピックでのベスト8に続き、昨年のユーロバスケットでは、ニコラ・ヨキッチを擁するセルビア代表を相手に、後半に2桁ビハインドを背負いながら逆転で下し、ベスト8まで進みました。国際試合での経験を十分に積んだメンバーで今大会に挑んできます。
フォンテッキオのようなシュート能力の高いパワーフォワードを多く揃えることで、似たようなタイプの選手がポジションチェンジを繰り返してスペースを構築し、3ポイントシュートを決めていくだけでなく、スイッチを誘発させてミスマッチを作り、ポストアップからのパワープレーでも得点していくのが、イタリア最大の特徴です。
オフボールムーブを繰り返すオフェンスは極めて止めにくく、ポジションチェンジが多くてもフロアバランスを崩すこともありません。オフェンスでの美しい連携は見事ですが、一方でディフェンス面ではゴール下の専門家がいない課題を抱え、オリンピックでもユーロバスケットでもフランスの高さに屈しています。
今大会は開催国フィリピン、アンゴラ、ドミニカ共和国のグループAに入りました。このグループではイタリアの組織力は群を抜いており、順当に行けば2次リーグでセルビアと対戦することになりそうです。今回のセルビアはNBAプレーヤーの多くが欠場となっており、対戦相手に恵まれていると言えます。国際大会でのベスト8の壁を突破し、世界の強豪としての地位を確立するチャンスとなる大会です。