ブランドン・イングラム

「チームが必要としているものを見付け出し、アジャストできる選手に」

アメリカ代表の初めての強化試合となったプエルトリコ戦で、ブランドン・イングラムはスモールフォワードで先発し、11得点5リバウンド3アシスト2ブロックを記録した。チームがタイムシェアを徹底する中で、イングラムも21分しかプレーしなかったために突出したスタッツは残せなかったが、そのバランスの良いパフォーマンスこそ、チームが彼に求めるものだ。

『The athletic』のインタビューに応じたイングラムは「昨シーズンの終盤は過去にないほど調子が良かった。良いリズムを途切れさせたくなかった。代表でプレーすることについて相談した誰もが『やるべきだ』と背中を押してくれた」と語る。

イングラムはいつも、オフはバスケから離れて身体作りだけに集中する。そのルーティーンを変えてアメリカ代表でプレーするのは、変化を恐れず自分のベストを更新し続けたいとの思いからだ。

「代表では頭を切り替える必要があって、スコアラーじゃなくディフェンスの比重を増やしたりパスを優先する必要が出てくるかもしれない。でも、それが何であれ僕はコートに立つ選手のうちで一番になりたい。チームが必要としているものを見付け出し、アジャストできる選手になりたいんだ」

ペリカンズはイングラムとザイオン・ウイリアムソンを擁しながら、毎年のようにケガ人を出して失意のシーズンを繰り返している。イングラムが代表で疲弊することを心配する声もあるが、「僕はトレーニングに打ち込み、常に準備をしてきた」と彼は反論する。

「いつもシーズンに100試合プレーするだけの準備を整えて開幕を迎えてきた。ケガをしたこともあったけど、僕はいつもバスケをプレーして、常に前進し続けたい。僕がそう思うのはバスケのことだけなんだ」

幸いにも今回、ペリカンズはイングラムの思いを理解し、代表チームへと送り出した。デイビッド・グリフィン球団社長は、代表活動がペリカンズにもプラスになる可能性をこう語る。「ブランドンはまだまだ成長できる。彼はオフになると身体強化に励み、シーズン序盤は新しい身体でのプレーに多少苦労するところがある。今回は仕上がった状態でシーズンを迎えることになるから、それでどうなるか楽しみにしている」

そしてイングラム自身も、ペリカンズのことは常に頭にある。「新シーズンはきっと良いことが起きる」と彼は言う。

「バックスやウォリアーズ、ナゲッツのように、何年も同じメンバーを維持して多くのことを一緒に経験してきたチームが優勝している。それには時間がかかるけど、僕らも同じメンバーで3年、4年とやっている。僕はただベストを尽くす。大事なのは勝つことで、勝てばすべてが解決すると思っているよ」