ダリアス・ガーランド

「あのシリーズがあったから僕らはチームとして成長できた、と言いたい」

昨シーズンのキャバリアーズは51勝31敗で東カンファレンス4位となった。若いタレントが右肩上がりで成長し、新たなエースのドノバン・ミッチェルもチームにフィットして、プレーオフへと返り咲いた昨シーズンをクラブ首脳陣は「大きな成功」と見なしている。

しかし、実際に戦った選手たちは逆の受け止め方をしている。プレーオフのファーストラウンドではニックス相手に1勝しか挙げられなかった。レギュラーシーズンで得た自信を打ち砕かれ、自分たちの未熟さを見せ付けられた敗退のショックは大きい。

ダリアス・ガーランドは『cleveland.com』の電話インタビューに応じた。昨シーズンのプレーオフ敗退のショックは「セカンドラウンドでニックスが負けるまでは続いた」と語る。「シリーズを通して僕はベストパフォーマンスを出せなかった。打ち合いを制して勝った試合でさえ、僕らはミスを連発していた。このオフに入って、もう何度も何度も試合の映像を見返しているよ。どうすれば改善できるかを知るためにね」

5戦で終わったシリーズを、試合開始から試合終了まで繰り返し見ているとガーランドは言う。「僕らの多くにとっては初めてのプレーオフで、シリーズを通してニックスのフィジカルに苦しめられた。もっとフィジカルに戦えるようにならなきゃいけない。プレーオフの試合がどれだけ強度が高く、どれだけペースが速く、1ポゼッションがどれだけ重要か。あそこで得たことを次のレギュラーシーズンに繋げ、次のプレーオフへと繋ぎたい。あのシリーズがあったから僕らはチームとして成長できた、と言いたいんだ」

再建の時期は勝てなくても、成長だけにフォーカスしていられる。だがキャブズは次の段階に入り、プレーオフ進出の次は、プレーオフで勝つという結果が求められる。要求がシビアになる中で、チームにも時には変化が必要となる。今オフ、ガーランドにとってはキャリア4年目にして初めてトレードの噂が出た。

「最初は母から『これ見た?』と知らされた。トレードの噂で自分の名前が出るのは初めての経験だったから、どう受け止めるべきかも分からなかった。それから5分もしないうちにGMと僕のエージェントから電話があり、心配ない、単なる噂だと聞かされたよ」と、ガーランドはその時を振り返る。

噂は噂のままで終わり、キャブズはコアメンバーを変えることなく新シーズンを迎えることになりそうだ。ガーランドはそのことに満足しながら、オフを通じて激しいワークアウトを行い、気分転換に旅に出ている。今は『バスケットボール・ウィズアウト・ボーダーズ・アフリカ』のために、J.B.ビッカースタッフやバム・アデバヨ、ジョナサン・クミンガとともに南アフリカを訪れている。

「バスケと旅行、多くの人と触れ合うこと。僕の好きなことが一つになったのが今回の機会だ」と語るガーランドは、アフリカの高校生年代の選手たちにバスケを教え、「どの選手も学ぶことに興味を持ち、上手くなろうと必死だ」という若者たちから刺激を受けている。様々な経験をすべて成長への糧として、ガーランドは次の目標へと向かう。