パトリック・ベバリー

ジェームズ・ハーデンにメッセージ「愛しているから、残ってほしい」

パトリック・ベバリーはルーキーイヤーからの5シーズンをロケッツで、4シーズンをクリッパーズで過ごした後、この2年はティンバーウルブズ、レイカーズ、ブルズと3チームを渡り歩き、今オフにはセブンティシクサーズと1年契約を結んだ。腰を落ち着けることなくチームを転々としてはいるが、彼のプレースタイルと個性が多くのチームに求められているのも事実だ。

執拗なディフェンスと勝利への飽くなき意欲、声を出すリーダーシップに身体を張った汚れ仕事。勝つために必要だと誰もが分かっていながら、多くの選手ができるわけではない仕事を高いレベルでこなし続けるからこそ、35歳になった今も彼の価値は落ちない。

シクサーズの一員として初めて会見に臨んだベバリーは「まずはカンファレンスファイナル進出が目標だ」と語る。「もちろん、最終的には優勝したい。でも、みんなが力を合わせて勝ちに行く、そのチーム力が大事なのは昨シーズンのナゲッツで証明済みだ。選手が結束し、力を嚙み合わせて、チームとしてまとまって、小さなことを積み重ねていく。そうしてカンファレンスファイナルまで進みたい」

去就の決まっていないジェームズ・ハーデンについて、ベバリーはこんなメッセージを送っている。「僕のルーキーシーズンからロケッツで一緒に先発コンビを組んできた親友だ。僕がここに来たことは知ってるだろ? 愛しているから、残ってほしい。問題を解決して、過去のものとして前に進むのは大事なことだ。そうなることを、みんな願っている」

「どんな形でチームに貢献したいか」という質問への答えは、非常にベバリーらしいものだった。「すべての面でインパクトを与えたい」と彼は言う。

「ある試合で3ポイントシュートを1本も決められなくても、次の試合では4本決める。大事な場面での3ポイントシュート、ディフェンスで相手を止めて、チームのために身体を張って、ロッカールームで模範となる。何でもいいんだ、とにかく試合にインパクトを与えたい。得点しなくても、その方法はたくさんある。ディフェンスをしなくてもインパクトは与えられる」

35歳になったばかりだが、彼は自分が今も全盛期にあると信じている。「僕の情熱と知識、リーダーシップは経験を重ねるごとに向上している。レブロン(ジェームズ)が身体のケアに大金を費やしているのは知っているよ。それに負けないよう、ケアを怠らないようにしている。今もウエイトトレーニングは週4回やっているし、今も週に3回か4回はコートで練習している。僕のここまでのキャリアは地道な努力の積み重ねだ。年俸がいくらであっても、僕の努力は変わらない。プロとして必要なことを行い、準備を整える。そうすれば年齢はただの数字だよ」

「努力、努力、努力なんだ。それが僕にできるすべてだからね。僕は努力する方法を知っている。だからこそ15年も16年もこの世界でプレーを続けられているんだ」