父親は元オールスター選手で、ミシガン大の指揮官を務めるジュワン・ハワード
今年のドラフトでマジックは2つの1巡指名権を保持していた。全体6位で補強の優先ポイントであるポイントガードに、アラバマ大1年のアンソニー・ブラックを大方の予想通りに指名する。そして、全体11位で指名したのがミシガン大1年のジェット・ハワードだ。
ハワードと言えば、ミシガン大のスター選手として活躍し、NBAでもブレッツ(現ウィザーズ)時代の1996年にオールスター選出。30代以降は名脇役として奮闘し、39歳まで現役を続けたジュワン・ハワードの息子としても有名だ。
ジェットは父がヘッドコーチを務めるミシガン大に入学し、昨シーズンは29試合に出場して平均14.2得点、3ポイントシュート成功率36.8%をマーク。大学界屈指のシューターとして結果を残すことで、1994年に全体5位指名を受けた父と同じく、1巡上位指名でNBAへの扉を開いた。
ちなみにマジックがドラフトでミシガン大の選手を指名するのは、2021年の1巡目全体8位指名のフランツ・バグナー、昨年の2巡目全体33位のケイレブ・ヒュースタンに続き、今回のハワードと3年連続となる。ミシガン大は今年、ハワード以外にもコービー・バフキンが全体15位でホークスに指名されるなど多くのNBA選手を輩出しているが、それでもマジックのように同一チームからの連続指名は異例のことだ。
このような背景もあり、ハワードもお手本にした選手について大学の先輩を挙げた。「デビン・ブッカーのプレーを見て、彼の試合から学んだ。そして、今のマジックのメンバーだと、フランツ・バグナー、ケイレブ・ヒュースタンのミシガン大出身選手たちを挙げたい」
父親の存在もあってハワードは高校時代から知名度はあったが、それでも世代トップ10に入るようなトップクラスの評価を受けてはいなかった。それはバフキンも同様だ。また、ミシガン大出身で現在活躍している選手だと、ダンカン・ロビンソンは全くの無名だったし、ジョーダン・プールもトップ100に入るくらいの評価だった。
ミシガン大で大きく成長し、NBAでも居場所を得ている選手が少ないない理由について、ハワードはこう語る。「ミシガンについて、あれこれと言いたくはない。ただ。僕たちはIQの高い選手たちと言えるかもしれないね。僕たちは試合での適切なプレーのやり方、試合中にどのように考えてプレーすればいいのかを理解している。それが大きな助けになっている。そういったカルチャーがあることで今、僕たちはマジックの一員になっていると思う」
バグナーは3ポイントシュートを武器に今シーズン平均18.6得点を挙げ、パオロ・バンケロに次ぐ得点源として活躍した。新シーズン、マジックが上位戦線に絡むためにはバグナー、ハワードのミシガン大コンビによる長距離砲の爆発も重要になってくるはずだ。