田口成浩が語るバスケ部時代vol.2「結果を出して相手を黙らせてきた」

2016/05/11
Bリーグ&国内
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文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦、秋田ノーザンハピネッツ

PROFILE 田口成浩(たぐち・しげひろ)
1990年3月25日生まれ、秋田県出身のシューティングガード。精度の高いシュートが武器で、2015-16シーズンのbjリーグではフリースロー成功率90.1%で3位にランクインした。ガードらしからぬダイナミックなプレーで試合を盛り上げる若武者だ。

否定的なことを言ってくる人を黙らせたい

野球にしてもバスケにしても、僕はいわゆるエリートではありません。まるっきり違いますね。中学生の時は普通の公立高校の野球部で、そこで試合に出れませんでした。明桜高校も強豪校ではありません。女子はそこそこ強かったのですが、男子は全然です。僕が入るまでは地区一回戦ぐらいまでで。僕が2年生の時は公式戦で1勝しかしていないんですよ。3年生になって決勝まで行けたんですけど。

僕だけじゃなくチームメートも、全国を目指すようなテンションではなかったです。監督にしても、「いいか、バスケットでは飯は食えないからな」と言ってましたから(笑)。

そこからどうやって上達したか……。僕はこういうキャラなので、小バカにされるというか、からかわれることが多いんですよ。「どうせ無理だって」とか「やめろやめろ」とか、そんなことを言う人が出てくる。でも、そうなると僕は「見とけよ、この野郎」って燃えるんです。結果を出せば相手は何も言えなくなる。その瞬間が僕にとっては勝利なんです。

高校の時からずっとそういう考え方をしています。「プロになんかなれない」と言われても、「見てろよ」と。バカにしているのか、本気で言っているのかは分かりませんが、とにかく否定的なことを言ってくる人を黙らせたいと思うんです。それを頑張るためのモチベーションにして、一人ずつ倒していくんです。

高校でバスケ部に入ってから、かなり頑張ったと思います。キツい練習もたくさんありましたが、それを嫌がって逃げてしまうのではなく、「自分のためだ」と思ってやりました。一番嫌いな練習は外ランニングでしたね。サボっている人もいましたけど、それも一生懸命、必ず先頭で走っていました。

嫌いなことでもキツいことでも、自分のためだと思ってサボらずにやってきました。それを続けられたことが、今ここにいられる理由だと思います。

田口は「見とけよ、この野郎」の精神で鍛錬を重ねてきた。

レベルの高い選手を競争相手と見なして、一人ずつ倒していく

普通の公立高校のバスケ部でプレーしていても、やっぱりレベルの高い選手はたくさんいます。そんな相手を自分の中で競争相手と見なして、一人ずつ倒していく。ゲームをやっているような感覚ですね。上のレベルの試合を見に行ったり、DVDを見たりすれば、すぐにまた新しい競争相手が見つかります。

日本のトッププレーヤーも目標にしましたよ。いやもう、バスケットと言ったら田臥勇太選手じゃないですか! 僕からしたら、テレビの中の存在なんです。野球をやっていた頃や高校の頃からそうなので。そんな田臥選手と代表合宿で一緒に練習しているということは、プロになったこと以上に夢のようですね。

田臥選手とは9歳違いですが、せっかくの機会なので代表で一緒になった時にはコミュニケーションを取らせてもらっています。先の合宿ではご飯やお風呂のタイミングが一緒だったので、昔の能代工業高校時代の話を聞いたりして。秋田弁でもコミュニケーションを取れて、すごく優しくしてもらいました。

「嫌いなことでもキツいことでも、自分のためだと思ってサボらずにやってきました」と言う結果が、日本代表候補へと田口を導いた。

バスケット・グラフィティ/田口成浩
vol.1「憧れの選手は……巨人の仁志敏久選手!」
vol.2「結果を出して相手を黙らせてきた」
vol.3「ここに来るまで近道なんて一切なかった」