クリス・ポール

本人はまだ手にしていないNBA優勝を目指して現役続行へ

サンズはクリス・ポールとの契約を解消する見込みで、本人にもこれを通達したと『Bleacher Report』が報じた。

サンズがNBAファイナル進出を果たした直後となる2021年のオフ、両者は4年1億2000万ドル(約160億円)での契約延長に合意している。その時点で36歳の彼に最大限の敬意を示す大型契約だったが、当時すでにケガが多くなっていた彼との長期契約を結ぶリスクを避けるために、3年目となる来シーズン以降の契約は、今月28日までに1580万ドル(約21億円)の違約金を払うことで解除できるようにしていた。

サンズとしてはこの契約が終わる2025年まで、つまり彼が40歳になるまでトップレベルでプレーしてほしいと願っての契約だったのだろう。しかし、今シーズンの彼は13.9得点、4.3リバウンド、8.9アシストを記録したが、得点はキャリアワーストの数字で、プレーオフのカンファレンスセミファイナルは鼠径部のケガで2試合にしか出場できず。サンズはここでナゲッツに敗れてシーズンを終えている。

クリス・ポールはいまだトップレベルでプレーすることができる。しかし、年齢的に上積みが望めないのはもちろん、コンディションを維持するのは年々難しくなり、クオリティは保ててもタフなスケジュールをこなせなくなりつつある。サラリーキャップに余裕を生み出し、新たな選手を獲得可能にするためにも、クリス・ポールとの別れが必要だと判断したのだろう。

クリス・ポールはオールスター選出12回、オールNBA選出11回と輝かしい実績を持つが、NBA優勝を経験していない。『ロブ・シティ』と呼ばれたクリッパーズが解体された後、ロケッツとサンダーを経てサンズに加わり、チームを優勝争いのできるレベルへと引き上げたが、その挑戦もここで一区切りとなる。

サンズは一度ウェイブした後で、より『手頃な契約』を結び残留させる可能性もあるが、クリス・ポールを欲しがるチームは多いと見られる。レイカーズやクリッパーズは今シーズン途中にポイントガードを入れ替え、今も『コート上の指揮官』を必要としている。サンダーやサンズがそうだったように、良いベースができつつある若いチームのリーダーとしての需要もいまだ高い。

ポールに引退の意思はなく、まだ数年は現役を続けるつもりだ。彼が望むのはNBA優勝を狙える環境だろう。サンズでのプレーは3年で終わることになるが、彼はプレーする限りNBA優勝を目指す。