ジェイソン・テイタム

負けてなおチームの雰囲気は落ちず、ホーフォード「何かが見えた感じだ」

セブンティシクサーズvsセルティックスの第4戦、オーバータイムにもつれた激闘の決着は試合終了のブザーからしばらく待たなければならなかった。オーバータイム残り19秒、115-116と1点ビハインドのセルティックスの最後の攻め。クロックがなくなるのとほぼ同時に、ジェイソン・テイタムのキックアウトからマーカス・スマートが3ポイントシュートを放ち、これがリングを通過した。しかし映像で確認すると、微妙ではあるがシュートよりも先に試合が終わっており、ノー・バスケットとなった。

第4クォーターの最後も同じように、リムを攻めたテイタムのキックアウトからスマートの3ポイントシュートが外れている。ジェームズ・ハーデンのフローターで追い付かれた第4クォーターの最後の攻めは16秒あり、ハーデンのクラッチスリーで逆転されたオーバータイムの最後は19秒を残していたが、そのどちらもセルティックスはタイムアウトを使わなかった。

セルティックスを率いるジョー・マズーラは、レギュラーシーズンから同じことをやってきた。タイムアウトを取るのが当然のセオリーであり、負けただけに疑問の声が挙がったが、テイタムはこう語る。

「タイムアウトは相手にとってディフェンスを固める機会になる。タイムアウトなしでも自分たちで良いオフェンスができればいいんだ。実際、悪くはなかったと思う。ただ(ジョエル)エンビードがダブルチームに来るのを一瞬だけ待ちすぎた」

アル・ホーフォードも「シーズンを通してやってきたことだから自信を持っている」と動じなかった。「ボールを持ったジェイソンは素晴らしい判断をしていた。スマートがあと0.3秒早くキャッチできたら僕らが勝っていた」

結果としてセルティックスは敗れたが、最大16点差から追い付き、最後まで戦ったこの試合のパフォーマンスが悪かったとは誰も考えていない。ここから先の試合でもっと良いプレーをして、このシリーズを制すことだけを考えている。

ジェイレン・ブラウンは「僕のミスだ。ギャンブルに行ってはいけなかった」と、エンビードへのダブルチームを仕掛けてハーデンを空けてしまった決勝シュートの場面を振り返った。そしてテイタムは「プレーの選択が間違っていたとは思わないけど、僕はチームの勝利のために得点だけじゃなくすべてのプレーをやるつもりで、その部分で足りないものはあった」と言う。

接戦を落としたにもかかわらず、チームの雰囲気がむしろ良くなっているのは稀有なことだ。アル・ホーフォードは言う。「みんな負けて落ち込んでいるけど、何かが見えた感じだ。この1年を通してやろうとしてきたことが、この舞台でできるようになった。それはとても勇気付けられることだよ」