「誰に何を言われても、前に進み続けるしかない」
キャバリアーズはプレーオフのファーストラウンドでニックスに敗れてシーズンを終えた。プレーオフで強度が増したバスケに対応できず、経験不足を露呈したことで、指揮官J.B.ビッカースタッフの責任を問う厳しい声もある。しかし、シーズン最後の会見でコービー・アルトマン球団社長はチームの右肩上がりの成長を称え、それを導いた指揮官の手腕を認めている。
「51勝という成果は無視しない。ディフェンスレーティングでリーグ1位になったのは、素晴らしい選手がいるだけでなくヘッドコーチの功績でもある。我々は彼の仕事ぶりに非常に満足しているよ。チームは強くなり、選手それぞれが成長してオールスターになってもいる。彼とそのスタッフの仕事を誇りに思う。そして何より、選手たちは彼のためにプレーするのが大好きなんだ」
シーズン最後の会見でジャレット・アレンはこう語る。「プレーオフの結果によってシーズンを通して得た成功を忘れてしまうのはよくあることだ。僕も子供の頃にプレーオフを見ていた時はそうだった。だけど、それはグループとしての僕らの正しい評価じゃない。そもそも何が僕たちをプレーオフに導いたのかを理解しなきゃならない」
エバン・モーブリーも同意見で「22勝のチームを44勝、51勝へと成長させ、プレーオフに導いた。素晴らしい結果だよ。彼はいつもチームをまとめ、仲間意識を持たせる素晴らしい仕事をしているんだ」と語る。
そのモーブリーは、プレーオフを経験したことが自分をより大きく成長させると言う。「レギュラーシーズンとポストシーズンは全く異なる。僕らにとっては初めての経験で、よりフィジカルな戦いになり、そこでジャッジがどう下され、試合がどう展開するかを学ぶことができた。メンタル面でアジャストできなかった面もあるし、フィジカルな対応も上手くやれなかったけど、個人的にはアグレッシブに、自信を持ってプレーできたと思う」
「誰もがもっと上に行きたかったはずだから、がっかりしているよ。でも現状を受け止めて、来シーズンはもっと上に行けるように前進し続ける。それが今の僕らの計画なんだ。僕らを批判する人もいるかもしれないけど、みんなそれぞれ意見がある。僕は自分にできることだけをコントロールする。誰に何を言われても、前に進み続けるしかない」
NBA2年目のキャリアを終えたモーブリーは、ルーキーイヤーからキャブズの主力として活躍し続けている。次なるオールスターに成長すべき存在であることを、彼自身も自覚している。
「試合について『どうすれば良かったのか』と何度も考えてしまうけど、くよくよ考え続けるのは良くない。僕らは素晴らしいシーズンを送り、最後に惜しくも敗れてしまった。そのすべてを新たなモチベーションにして次に繋げたい。僕はもっと成長したいし、自分を変えたいと思っている。シーズン中に大きな変化はないものだから、このオフは自分がやりたいことを実現させるために、本気で取り組むよ」
思えばキャブズに完勝したニックスも、2年前には久々のプレーオフ進出を果たすも経験不足を露呈して敗れた。その経験があったからこそ今回の勝ちがある。キャブズもこれに続き、失敗を経験して強くなっていかなければならない。
アルトマン球団社長もこう語っている。「この1年でプレーインからファーストラウンドに進んだ。次の1年では何が待ち受けているのだろう。プレーオフを勝ち進むのは本当に大変なことだが、負けを経験したことで期待値は上がる。それが我々の次のステップだ」