八村塁

デイビスがケガを抱える展開で後半に奮起「良いリズムでプレーできた」

プレーイン・トーナメントを勝ち抜き第7シードでプレーオフに進んだレイカーズは、グリズリーズとの初戦を128-112で制した。アンソニー・デイビスが22得点12リバウンド、レブロン・ジェームズが21得点11リバウンドを記録したが、この試合で主役を演じたのはNBAのベストプレーヤーであるこの2人ではなく、オースティン・リーブスと八村塁だった。

先発ガードのリーブスは31分のプレーで23得点を挙げ、八村はベンチから出て30分の出場で、フィールドゴール14本中11本、3ポイントシュートは6本中5本を沈めて29得点を記録した。

八村は前半は8得点だったが、後半に入ってペースを上げた。デイビスが肩を痛め、プレーは続けたものの問題を抱える状況での八村の奮起は、レイカーズにとって非常に大きなものだった。第3クォーターは5分半の出場で4本の3ポイントシュートをすべて決め、第4クォーターになると一転してリムへとアタックするメリハリのあるオフェンスで得点を重ねていった。

勝負の第4クォーターでは、八村が9得点でリーブスが14得点と爆発。残り2分45秒の時点で113-112と1点差だったが、ここからリーブスが3本連続でシュートを決めて突き放し、残り40秒の八村のダンクで試合を決めた。

リーブスは「ウルブズに勝った次の日に、レブロンとAD(デイビス)がものすごく集中して現れた。僕たちには十分すぎるぐらいのタレントがいるから何も心配はいらない、とその時に思った。それで僕は自分自身のやるべきことに集中したんだ」と、プレーオフに臨むにあたっての自信を語る。

八村についてリーブスは称賛の言葉を惜しまなかった。「すごい活躍だった。彼のスキルセットは素晴らしくて、彼が加わったことでチームに新たな一面がもたらされた。とにかくクレイジーなんだ。でも彼は常に自分をコントロールして、無理なくプレーしている。素晴らしいパフォーマンスだったし、もっともっとやってほしいね」

八村塁

「自分の国のために僕に何ができるかを見せたい」

その八村は「僕たちは全員がボールを持って良いリズムでプレーできた。そして僕にシュートチャンスが回ってきた」と試合を振り返る。

「積極的にプレーしたいとずっと思っているけど、リズムをつかむのが難しい。トレードがあってメンバーが入れ替わったりすると、なかなかリズムはつかめない。僕の場合はスターターになったりベンチから出たりもしていた。もちろんコーチとは対話して、どんなプレーを求めているのかを教えてもらった。コーチたちは僕のプレースタイルを気に入っている、ただ積極的にプレーしてほしいと言ってくれるんだ。それが一つのポイントで、もう一つはエネルギーを持ってプレーすることだった。そのことに集中したことで、今日のプレーができたと思う。試合を通じてエネルギーがずっとあったのが良かったと感じている」

「敵地での試合の勝利には特別な意味がある。この試合に勝てたことで、この先も有利に戦うことができる。でも、明日からはまた頭を切り替えて集中しなければいけない。ここからが大事なんだ」

この試合は日本時間の早朝に行われた。そのことについて質問された八村は「今ごろ、みんな驚いてるだろうね」と笑顔を見せた。「たくさんの人が試合を見て、家族も見てくれたと思う。まだメッセージは見てないけど、それは素晴らしいことだ。自分の国のために僕に何ができるかを見せたい。僕はそこで生まれ、そこで育ち、日本のことが恋しいんだ。だから、こういう形で自分の活躍を見せることができて本当に良かった」