チーム全員の好守に加えて、シューター陣が3ポイントシュートを要所で連発

3月25日、横浜ビー・コルセアーズと信州ブレイブウォリアーズが対戦した。横浜BCの青木勇人ヘッドコーチが「タフなゲームだった」と振り返るように、終盤までリードチェンジを繰り返すクロスゲームとなったが、信州から23本のターンオーバーを誘発し、相手のミスを確実に得点に繋げた横浜BCが71-63で勝利した。

横浜BCは信州のピック&ロールを起点としたオフェンスに手を焼き、第1クォーター開始4分で3ポイントシュートを3本許してしまう。しかし、ビッグマンの連携でゴール下から得点すると、須藤昂矢、森川正明らシューター陣が3ポイントシュートを沈めて反撃。クォーター終盤になると、オープンスリーを決め切れない信州に対して、スクリーンを使ってディフェンダーをはがした横浜BCのシューター陣がシュートを決めて、21-17とリードして最初のクォーターを終える。

第2クォーターに入っても、横浜BCが主導権を握る。途中出場のパトリック・アウダが好守から速攻に繋げてリードを拡大すると、信州のボールマンへの高いプレッシャーや、インサイドの守備を固めたことで、クォーターをまたぐ13-0のランに成功する。

オープンを作るもシュート精度に苦しむ信州は、岡田侑大の個人技で何とか繋ぐも、横浜BCの森井健太と河村勇輝のツーガードを起点としたオフェンスを止められない。しかし、クォーター終盤から河村に対して熊谷航と前田怜緒の2人がボールも持たせないタフなディフェンスで失点を抑える。また、ここまで不調だったピック&ロールからのオープンスリーを岡田とアンソニー・マクヘンリーが決め切り、信州が1点リードして第2クォーターを終えた。

第3クォーターに入ると、横浜BCは信州の岡田を起点としたピック&ロールからのアタックを止められない。ディフェンスで苦しむ中、チャールズ・ジャクソンが4本のオフェンスリバウンドでセカンドチャンスに繋げるなど、ボールの球際の強さで対抗する。お互いにファウルやオフェンスのミスなどで得点を挙げられない時間が続く中、クォーター終盤に河村がドライブから絶妙なアシストを連発したことで横浜BCがリードを取り返し、52-49で最終クォーターへ突入する。

第4クォーター、信州のマシュー・アキノや栗原ルイスがオープンスリーを沈める中、横浜BCも途中出場の大庭岳輝が連続3ポイントシュートを決めて残り6分に3点のリードを奪う。また、信州の起点である岡田をマークしていた須藤が、タフなディフェンスを見せてこのクォーターだけで3つのターンオーバーを誘発したことでリードを保った。そして、7点リードで迎えた残り20秒には、ピック&ロールからのパスをスティールして河村がワンマン速攻に繋げたように、攻守で信州を上回って勝利を手繰り寄せた。

勝利した横浜BCの青木ヘッドコーチは、次のように試合を振り返った。「前半は自分たちから与えた失点でクロスゲームになってしまったため、後半の修正が大事でした。その中で、(後半は)ターンオーバーからの失点を0点に抑えて、逆に試合を通して23ターンオーバーを記録させました。ディフェンスの圧を上げられたところが大きかったかなと思います」

ピック&ロールを起点に戦うも、終盤のターンオーバーが響いた信州の勝久マイケルヘッドコーチは、「選手たちは戦術を遂行してくれた」と評価しつつ、戦う姿勢について振り返った。「良い部分もたくさんあった試合でしたが、相手のインテンシティが上がった時に我々の判断が悪くなりターンオーバーが増え、それがディフェンスにも影響してしまいました。我々のメンタルの弱さが出てしまった試合だったと思います。明日はもっともっとエナジーを出して、メンタル強くプレーする準備をしたいです」