デイミアン・リラード

「残りすべての試合に勝たない限り、10位争いからほぼ脱落する位置にいる」

NBAはレギュラーシーズンも残りわすかとなり、激しいプレーオフの出場争いが続いている。しかし、トレイルブレイザーズは現地19日のクリッパーズ戦に敗れて痛恨の6連敗。この結果、31勝40敗でプレーイン・トーナメントの最後の切符となる西カンファレンス10位のジャズとの差は4ゲームに開いた。さらにレイカーズ、ペリカンズより下の13位となっている現状に、大黒柱のデイミアン・リラードは次のように語る。

「他のチームがゲーム差を広げようと戦っている中、僕たちは連敗中だ。残りすべての試合に勝たない限り、カンファレンス10位の争いからほぼ脱落する位置にいる」

そして、最後まで戦い抜く意思を見せる一方で、冷静にチームの置かれている状況を見ている。「まだプレーしない準備はできていない。昨シーズンは52試合も欠場した。僕はプレーすること、競争することが好きだ。あきらめるつもりはない。ただ、競争心を前面に出すことを止める時期も来る」

今シーズンのリラードは、ここまで平均32.2得点、7.2アシスト、4.7リバウンドを記録。平均得点、フィールドゴール成功率(46.3%)はともに自己ベストと充実のシーズンを過ごしており、ブレイザーズへの変わらない忠誠心も表明している。来シーズン以降も大黒柱としてチームを牽引していくことは間違いないが、そうなると気になるのはチャウンシー・ビラップスヘッドコーチの去就だ。今シーズンが2年目のビラップスだが、昨シーズンは27勝55敗で、今シーズンも2年続けての負け越し濃厚となっている。長年、リラードとの2大エースを担っていたCJ・マッカラムを昨シーズン途中に放出するなどチームが過渡期にあることは考慮すべきだが、それでもブレイザーズはリラードがいる限り、抜本的なチーム再建期に入っている訳ではない。前任のテリー・ストッツは在任9シーズンの中でプレーオフ進出を逃したのは就任1年目の2012-13シーズンのみであり、ビラップスが結果を残せていないのは確かだ。

ただ、『The Athletic』によると、シーズン終盤の失速があってもチーム内にはビラップスをシーズン中に解任する考えは全くない模様だ。そこには、今のタイミングで交代しても立て直しの時間がないこと。またリラード、ジェレミー・グラント、アンファニー・サイモンズと中心選手たちが、ビラップスを支持していることが大きいと続けている。オフにフリーエージェントとなるグラントとの再契約に加え、引き続きビラップスに指揮を任せるかどうかもブレイザーズにおける大きな注目ポイントとなる。