第3クォーターに反撃を受けるも、好守と3ポイントシュートで逆転許さず
3月8日、千葉ジェッツと宇都宮ブレックスが船橋アリーナで対戦した。強度の高いディフェンスを軸に、要所で3ポイントシュートを決め切った千葉Jが81-68で勝利し、リーグ最長連勝記録を21連勝に更新した。
試合序盤の主導権を握ったのは千葉J。ヴィック・ローの切れ味鋭いドライブで先制すると、そのまま好守を展開。敵陣では強度の高いプレッシャーディフェンスで宇都宮のボール運びを脅かし、自陣ではピック&ロールを仕掛ける宇都宮のボールマンにビッグマンがブリッツを仕掛け、自由にプレーさせない。ディフェンスから流れに乗った千葉Jは、ローの3ポイントシュートや原修太のレイアップで加点し、開始3分で7-0のランに成功。クォーター中盤、バックコートのディフェンスプレッシャーをかいくぐった宇都宮に0-8のランを許し3点ビハインドを背負う場面もあったが、ジョン・ムーニーのバスケット・カウントやクリストファー・スミスのドライブでリードを奪い返し、15-12で第1クォーターを終える。
千葉Jは、第2クォーターに入っても好守を発揮する。宇都宮のビッグマンにダブルチームを仕掛けてパスミスを連続で誘発。トランジションからローのオープンスリーや、3日にプロ契約を発表した米山ジャバ偉生のベースラインドライブからのアタックも生まれ、開始2分で8点のリードを奪う。以降も宇都宮にタフショットを打たせ、3ポイントシュートの成功を7本中1本に抑え込み、クォーター終盤には、途中出場の小川麻斗が連続で3ポイントシュートを沈め、11点リードで試合を折り返す。
第3クォーター、宇都宮は、ファウルトラブルを受けて第2クォータープレータイムがなかった比江島慎をスタートとしてコートへ送り込む。その比江島は、ボールプッシュからジョシュ・スコットのイージーシュートを演出し、技ありのステップから千葉Jのファウルを誘発。比江島はこのクォーターだけで4本のフリースローを沈めてビハインドを縮めるが、千葉Jにキックアウトパスからイージーな3ポイントシュートを打たれ、背中をとらえることができない。また、小川にテイクチャージを取られるなど、リズム良くオフェンスが展開できず以降は得点が停滞。クォーターのラストディフェンスでクリストファー・スミスに3ポイントシュートのバスケット・カウントを許し、11点ビハインドでクォーターエンド。前半終了時から点差を縮めることができなかった。
千葉Jは、スミスが第4クォーター開始早々に3ポイントシュートを沈めると、ローのキックアウトから原もこの試合初の3ポイントシュートに成功し、さらにリードを拡大する。ダブルチームによるローテーションのズレから宇都宮に3ポイントシュートを許す場面もあったが、この試合11アシストをマークした富樫勇樹のキックアウトから多くの選手が得点にからみ、残り3分弱、佐藤卓磨の3ポイントシュートでこのシュートでこの試合最大となる18点差をつけたことで勝敗が決した。
敗れた宇都宮の佐々宜央ヘッドコーチは、第3クォーターに見せた比江島を中心とした反撃を評価しつつも、勝負どころのシュート力を課題に挙げた。「前半は慎のファウルトラブルがあって厳しい展開になりましたが、選手たちがどうにか粘って大差をつけられない状況にしてくれました。後半では、慎が中心になって戦うことができていたと思います。ただ、3ポイントシュートが入り切らなかったということがあったので、プレッシャーがある中でも決め切らないといけない反省点はあります。最後にまた千葉さんと2試合あるので、その時には素晴らしい戦いを皆さんに見せたいと思います」
終始、強度の高いディフェンスで宇都宮にプレッシャーを与え続けた千葉Jのジョン・パトリックヘッドコーチは次のように試合を振り返った。「ゲームプラン通りのディフェンスをやってくれました。また、勇樹が11アシスト2ターンオーバーを記録しましたし、3ポイントシュートも多くは入らなかったけど効果的に決めてくれたと思います」。パトリックヘッドコーチはリーグ最多記録の更新と、今週末に迫る天皇杯ファイナルに向けてもコメント。「21連勝はこの記者会見が終わったら忘れます。大切なのは日曜日の試合です。明日はしっかり休んで、日曜日の試合に備えたいと思います」