日本代表でも生きるアルバルク東京のスタイル
日本代表はワールドカップアジア予選でカタール相手に85-47で快勝し、Window3から始まった連勝を5に伸ばした。今回、代表は八村塁、渡邊雄太とサイズ、高い身体能力を備えた2人のフォワードが不在であり、それに伴ったゴール下のリバウンド力の低下は懸念材料だった。
しかし、蓋を開けてみればカタールのシュート確率の低さもあったが、49-26とリバウンド数でも圧倒した。これが後半わずか15失点の堅守をもたらした要因であり、それを中心となって支えたのが竹内譲次だ。この試合、竹内は約22分出場で9得点8リバウンドと安定したパフォーマンスを披露。彼が出場した時間における得失点がチームベストの+38であったことが、数字に出ない部分での貢献も大きかったことを示している。
「ディフェンスから走れたことが後半は特に良かった。マンツーマンにしたことで、僕たちらしい足を使ったバスケットボールができたと思います」と竹内は試合を振り返る。
「前半は、相手にタフショットではありましたが、気持ちよく打たれていました。そこでもう少しタフに守れればシュートは落ちてくると思っていましたし、その後のリバウンドが取れればそのあとはウチの展開になると思っていました」と続ける。
第3クォーターに日本がカタールを一気に突き放した時間帯、コートには竹内、田中大貴、馬場雄大とBリーグ王者アルバルク東京の3人が揃い踏みしていた。竹内がリバウンドを取ると田中に繋ぐ。そして敵陣に迷わず走り込む馬場へとピンポイントのロングパスが通っての見事なファストブレイクは、試合の流れを日本に引き寄せるに十分なビッグプレーだった。
このA東京ホットラインについて、竹内は「馬場はオールコートでのプレーが一番強い選手です。彼の強みを僕と大貴が出ていることでさらに生かすことができたのかと思います。3人が一緒にプレーすることでのやりやすさはありますし、代表のバスケットの中でもアルバルクのバスケットも出せたのかと思います」とシステム、戦術が変わる中でも発揮できる強みはあると自信を見せる。
カザフスタン戦でもゴール下での獅子奮迅の働きを
竹内自身でいえば、「ファウルトラブルもあって前半はチームに迷惑をかけてしまいました。ただ、やってしまったことは仕方ないので、後半はある程度は仕事ができたと思います」と、ハーフタイムで気持ちを切り替えたことが後半の好プレーにつながった模様だ。
また、30代中盤と大ベテランの域に入っている中、リーグ戦から続くタフな日程におけるコンディション調整についても、「疲れはありますけど、意識しすぎると自分自身を追い込んでしまうことになるので、あまりそこは考えないようにしています」と、メンタルコントロールがうまくできている。
明日にはカザフスタン戦を迎える。相手はフィリピンを92-88と撃破して波に乗っている。そんな相手の勢いを止めるためには、まずディフェンスリバウンドをしっかり確保し、セカンドチャンスを与えないことが基本となる。そのためには竹内の力は欠かせない。カタール戦に続くA東京ホットラインの爆発も含め、竹内には引き続きゴール下での獅子奮迅の活躍を期待せずにはいられない。
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