トレイルブレイザーズ

ホームゲームが続く1月はチームを立て直すチャンス

トレイルブレイザーズはデイミアン・リラードが長期離脱した昨シーズンにCJ・マッカラムを放出し、ロスターを大きく入れ替えました。新たなチームとして臨んだ今シーズンは開幕4連勝と好スタートを切り、リラードの離脱など苦しい時期も健闘してきましたが、直近の10試合で2勝8敗、現在は4連敗で勝率5割を割っています。

これまでリラードとマッカラムのガードコンビに依存していたブレイザーズは、今シーズンはポジションごとの役割をはっきりと定義しながら、そのポジションをオフェンスごとに入れ替えていくのが特徴です。ウイングとしてコーナーを担当するジョシュ・ハートやシェイドン・シャープが、次のオフェンスではポイントガード役になり、逆にリラードがコーナー担当になるなど、同じオフェンスパターンでも異なる選手で実行するため、ディフェンスからすると的を絞れなくなっています。

この形が功を奏し、リラード、アンフィニー・サイモンズ、ジェレミー・グラントはビッグ3体制では珍しく全員が20得点以上を奪っています。それぞれがチームの約束事を守りながらも個人能力を犠牲にすることなく、ワンプレーごとにポジションを入れ替えてバランスを取ることでトリオとして機能しています。

このオフェンスにおいて潤滑油的な仕事をしているのが、すべての役割をこなせるジョシュ・ハートとジャスティス・ウィンスロウの2人です。得点、アシスト、リバウンドとマルチに活躍する上、ディフェンスの中心として相手エースを封じ込める役割もこなします。特にウィンスロウは状況に応じてポイントガードからセンターまで務め、頼りになるシックスマンとしてケガ人のカバーをしました。しかし、そのウィンスロウが離脱した12月中旬からチームは失速しました。

ディフェンスでも変形のゾーンを多用するなど、自分たちから積極的に仕掛けることで成功してきた前半戦でしたが、敗戦が続いて自信が揺らぐと安全な形に頼りたくなるのか、最近は攻守にパターンが固定化されてきた印象があります。チームを再び上昇気流に乗せるためにもオールスターブレイクまでに白星を先行させることが重要です。

西海岸に位置するブレイザーズは『移動距離の長いチーム』であり、これを軽減するためにホームとロードが長く続くスケジュールが組まれています。ここまでホームゲームが少なかったこともあり、ここから直近11試合のうち10試合がホームゲームという日程で、チームにとっては立て直しのチャンスですが、逆にここで負け越すことはプレーオフが決定的に遠のくだけに、シーズン半ばにして正念場を迎えたと言えます。

しかし、その初戦となったマジック戦は3ポイントシュートが17%しか決まらず、106-109で手痛い敗戦を喫しました。この試合は第2クォーター初めに19点差を付けられるも前半終了時には同点に追い付き、後半開始早々に再び15点差を付けられた後に追い上げて残り24秒では1点差に迫ったものの、結局一度もリードを奪うことはありませんでした。

勝利の経験を持つチームであれば、黒星が先行しても自分たちを信じて戦うことができます。ブレイザーズは個人レベルでは経験を持っていても、チームとしての戦い方を信じられていないようです。後手を踏んでしまった今、そのまま盛り返せず終わる可能性もあるだけに、ホームゲームが続く中で再び勝ちパターンを作らなければいけません。