若手有望株はいるものの、ここまで10勝30敗と苦戦が続く
ティンバーウルブズのオースティン・リバースは3ポイントシュートと堅実なディフェンスが持ち味のベテランシューターだ。2012-13シーズンにNBA入りし、今シーズン開幕前に加入したウルブズで通算7チーム目と、移籍を繰り返すジャーニーマンとなったが、様々な環境や戦術に適応でき、全てのチームでローテーション入りしてきた実力者である。
現地8日、リバースは2018-19シーズンの途中から19-20シーズンにかけて在籍したロケッツと対戦。ウルブスが104-96と快勝した後、ロケッツの地元紙『ヒューストン・クロニクル』の取材に応え、リーグ下位に低迷する古巣に向け叱咤激励を行った。
リバースが在籍していた当時、ロケッツはジェームズ・ハーデンを中心にリーグ上位の強さを誇っていた。しかし、そこからハーデン放出を含むチーム解体を実施すると、過去2シーズン連続で下位に沈み、今シーズンもここまで10勝30敗とプレーオフ進出は絶望的な状況だ。ジェイレン・グリーン、ケビン・ポーターJr.と才能豊かな若手選手はいるが、結果が出ていない今のロケッツについて、リバースは指南役の不在を原因に挙げる。
「KPJ(ポーターJr.)とジェイレンに、正しい方法を教えることができる人物が必要だ。僕が言いたいのは、彼らには若手の助けとなるベテランが必要ということ。2人は得点力に優れ、素晴らしい能力の持ち主だが、2人が次のステップに進む手助けができる人物が必要なんだ」
さらにリバースは、NBAで成功するために必要な術を知るベテランの重要性を語る。「ベテランは試合をどのように展開させ、ガードとしてゲームをコントロールする方法を教えてくれる。全てがアイソレーションではダメで時には素早い読みや決断が求められる。若い時はこういったことを教えてくれるベテランの存在がすべてだ。これはコーチの問題ではない。仲間が必要なんだ。チームの誰かが正しい方向に導いていかないといけない。彼らがより良くなることを願っている」
現在のロケッツは、ローテーション入りしている選手の大半が20代前半でベテランは34歳のエリック・ゴードンくらい。ただ、ゴードンは常にトレード放出の噂がつきまとっているような状況だ。リバースの言う通り、若手に実戦経験を積ませるのは成長に欠かせないが、正しい方向に導けるベテランの存在もそれと同じくらい重要となる。来夏には複数の大物選手を獲得できるほどのサラリーキャップに空きができるロケッツだが、リバースの指摘のように指南役の補強に本腰を入れるかもしれない。