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FAとなるデュラントが故郷ワシントンDCに戻る可能性は?

ジョン・ウォール、ブラッドリー・ビールという強力なバックコートを擁するウィザーズが、早速シーズンオフに大きな決断を下した。4シーズン指揮を執ったランディ・ウィットマンを解任し、サンダーを強豪チームへと変貌させたスコット・ブルックスを招聘したのだ。

以前からウィットマンとウォールらの確執を伝える報道もあり、今シーズンのプレーオフ進出を逃したことも合わせれば、解任は当然の流れだった。

ブルックスは、サンダーの前身であるスーパーソニックスでアシスタントコーチを務め、2008-09シーズン途中からヘッドコーチに昇格。2012年にはチームをNBAファイナルに導き、2014-15シーズン終了後に解任されるまで338勝207敗(勝率62%)という成績を残した。

サンダー時代には、ケビン・デュラントとラッセル・ウェストブルックのアイソレーションを多用し過ぎるという批判も受けたが、それまで低迷が続いたサンダーを西カンファレンスのエリートチームに成長させた実績を考えれば、その手腕に間違いはない。

だがブルックスを起用した背景には、その手腕とは別に『もう一つの理由』があるとの見方が強い。そう、今シーズン終了後FAになるデュラントを獲得する布石としての役割だ。

ブルックスと師弟関係にあるデュラントは、ワシントンDCの生まれで、故郷を本拠地とするウィザーズが獲得に乗り出すのでは、と数年前から噂されてきた。ウォリアーズ、ヒートらもデュラント獲得レースに参加すると言われているが、もしデュラントがサンダーを去る決断を下した場合、移籍先として最も有力なのはウィザーズという意見が根強くある。

仮の話ではあるが、ウォールとビール、3年目の今シーズンに初の平均2桁得点(11.6)に到達したオットー・ポーターという陣容にデュラントが加われば、非常に魅力的なチームが完成する。

これまでは噂レベルでしかなかったウィザーズのデュラント獲得というプランが、ブルックス招聘により現実味を帯びてきた。新ヘッドコーチがどのようにチームを再建するかは来シーズンの楽しみとして、まずはコート外でどういう影響力を発揮するのか、シーズンオフの動向からも目が離せなくなりそうだ。