前半は苦戦も後半を51-21と圧倒
ウインターカップ女子準々決勝の京都精華学園vs東京成徳は、188cmの大黒柱、イゾジェ・ウチェが31得点17リバウンド4ブロックと攻守で存在感を発揮した京都精華が84-45で勝利した。
京都精華の柴田柑菜が「センターに入れるパスが悪かったり、フォワードとセンター陣の合わせが上手くいかずに苦戦した」と語ったように、試合の立ち上がりは東京成徳の激しいディフェンスに手を焼き、ウチェも徹底したダブルチームに苦戦しミスが目立った。それでも、徐々にアジャストすると冷静にパスをさばいて味方のイージーシュートをお膳立てし、自らも積極的にアタックして第1クォーターだけで8得点を挙げた。ディフェンスでは3本のブロックショットを浴びせ、東京成徳のフィールドゴール成功率を20%に抑える原動力となり、18-9と先行した。
第2クォーターに入ると、ゴール付近のシュートを決められず突き放すことができない。リズムが生まれず、東京成徳に速攻を許し、3ポイントシュートも射抜かれ5点差に迫られたシーンも。だが、八木悠香が強気なアタックで悪い流れを断ち切り、前半だけで16本のフリースローを獲得(東京成徳は3本)するなど主導権は渡さずに、9点をリードしたまま試合を折り返した。
そして、後半に入ると京都精華が地力の高さを証明する。柴田が「前半はディフェンスが中に寄っていて、そこからさばけずに3ポイントシュートが打てませんでした。後半は狙っていけと言われていたので意識していて、少しは勢いを持ってこれました(笑)」と振り返ったように、後半開始早々にチーム初となる3ポイントシュートを決めると、直後にも再び3ポイントシュートを沈めて一気に突き放した。これで外への警戒が高まり、中への意識が薄れると、ウチェが高さのアドバンテージを生かしゴール下で加点していった。そして残り4分、八木の速攻が決まりリードを20(49-28)の大台に乗せた。こうして、24-6のビッグクォーターを作った京都精華がその後も試合を支配し、39点差の快勝を収めた。
前日は京都精華の最大のライバル、桜花学園が姿を消す波乱があった。そして明日の準決勝は桜花を倒した東海大学付属福岡高等学校と激突する。柴田は「トップリーグで負けてリベンジしたい気持ちはあった」と、桜花に特別な思いがあったことを明かしたが、「どこが相手でもチャレンジャーと思って戦うことが大事なので、目の前の試合を大切にしていきたい」と、冷静に語った。
ともに強力な留学生を擁するだけに、周りの選手のマッチアップが勝負のカギを握りそうだ。