文・写真=古後登志夫

通算31回目のウインターカップ出場となる中村学園女子だが、ここ3年間は県予選を突破できなかった。現在の3年生は、ウインターカップという『夢の舞台』に立つラストチャンスをモノにして、全国ベスト4の常連だった強豪の復権を果たすべく意欲を燃やす。
写真左がキャプテンの岩城里奈、中央がポイントガードの山口萌瑠、そしてセンターの百崎真純。地元出身の主力選手、3年生の3人が『高校バスケットの集大成』に向けた意気込みを語ってくれた。

岩城里奈「日本一のチームディフェンスを目指す」

──キャプテンとしてチームをまとめる大変さはありますか。

私たちの代は1年生の時からいろいろとまとまらないことがあったんですけど、バラバラになった時にまた団結できるよう、みんな集まって話し合ったりしました。私はキャプテンとしてチームをまとめなければいけないし、プレーでもみんなを引っ張っていかないといけない立場ですが、あまりできていませんでした。先生からも一番怒られていたと思いますが、それも当たり前だと思って頑張りました。

──強豪がひしめき合う、レベルの高い福岡でようやく勝てました。

この前の県予選では決勝も苦しかったのですが、特に精華女子との準決勝が苦しかったです。絶対に負けないという気持ちだったけど、なかなか点数が離れない接戦だったので。

──ウインターカップではどんなバスケットを見せたいですか?

自分たちは今までディフェンスを徹底して練習してきました。日本一のチームディフェンスを目指そうとやってきたので、今まで徹底してきたディフェンスを出すことです。コートの上ではルーズボールとリバウンドで負けないように意識してます。自分たちにとっては初めてのウインターカップであり、集大成となる大会なので、『中村のバスケット』ができるように頑張ります。

山口萌瑠「ウインターカップに向けてチーム一丸に」

──ポイントガードとして気をつけているところはどこですか?

ポイントガードがミスをすると相手に流れが行ってしまうので、まずはミスをしないこと。そしてゲームをコントロールすることです。ゲームコントロールで大変なのは、得点が止まった時の選択です。誰を使うか選択した選手がシュートに行っても得点にならなかった時、そういう流れになってしまった時が一番困ります。

──平岡先生はどんなイメージの先生ですか?

最初は身体も大きくて怖いイメージがありましたけど(笑)、自分たちのことを一番に思ってバスケットに取り組んでくれます。練習にも毎日来てくれて、熱心に指導してくれる先生だと思います。

──ウインターカップが近づいていますが、チームの雰囲気はどうですか。

すごく良いです。県予選が終わってから身体をイチから鍛え直しています。練習の中でもたくさんのメニューがあって、先生がいてもいなくても同じようにみんなで盛り上げて頑張っているので、ウインターカップに向けてチーム一丸になっていると感じます。

──ウインターカップでの目標は?

ベスト4です!

百崎真純「もう一度『名門・中村学園女子』を復活させたい」

──ウインターカップに向けて、今の心境やチームの雰囲気はどうですか?

チームは声が出ていて、雰囲気がすごく良いです。私としてはウインターカップをすごく楽しみにしています。去年はずっと負けていたし、全国の舞台に立てなくて悔しい思いをしてきたから、もう一度『名門の中村』を復活させたいと思っています。

──これまでバスケをしてきてツラかったことはありますか?

いっぱいありますけど、一番はケガです。1年生の夏、インターハイの直前のケガは復帰するまでに8カ月かかりました。バスケするのが当たり前で、練習がキツいと思うこともあったけど、復帰してバスケが毎日できる楽しさとか、コートにもう一度立てるうれしさを感じられたのは良かったです。苦しいこともいっぱいあったけど、練習しているといろいろ大変なので忘れます(笑)。私はすぐに弱音を吐くタイプなんですが、親が友達に励まされて、支えてもらいました。

──高校生活の集大成となる大会に向けた抱負を聞かせてください。

仲間のためにスクリーンをかけたり、リバウンドを取ったり、苦しい時に流れを変えるシュートを決めたいです。目標は全国ベスト4なので、それに向けて頑張ります。