残り0.3秒、木村がタフな3ポイントシュートを沈め土壇場で追いつく
新潟アルビレックスBBvs仙台89ERSの第2戦は、初戦と同様にオーバータイムにもつれる激戦となった。
ホームの新潟はインサイドの要であるコフィ・コーバーンにボールを集めるが、ネイサン・ブースの巧みなポジション取りやダブルチームに苦戦し、起点が作れずに得点が伸び悩んだ。また、守備ではコミュニケーションミスが多発し、ピック&ロールで簡単にズレを作られてしまう。さらに曖昧なファウルが多く、何度もバスケット・カウントを献上したことで3ポゼッションのビハインドを背負った。
それでも、遠藤善がアグレッシブにアタックし、杉本天昇が個で打開して3ポイントシュートを決めて食らいつくと、途中出場の綿貫瞬がゲームを落ち着かせたことでジワジワと新潟がペースを握っていった。第1クォーターのラストオフェンス、綿貫がオフェンスリバウンドに飛び込み、遠藤がブザーとともに3ポイントシュートを沈めて2点差に迫ると、第2クォーター序盤に杉本がこの日2本目の3ポイントシュートを沈めてついに逆転した。
その後、玉木祥護を筆頭にインサイド陣が粘りのディフェンスを見せてゴール下のシュートをギリギリで落とさせるなど、ペイントエリアでの失点を防いでいく。オフ・ザ・ボールの動きにつられ、何度もフリーのシュートチャンスを作られてしまうが、仙台の前半の3ポイントシュート成功率が18.2%と低調に終わったことにも助けられてリードを保っていたが、前半終了間際に小林遥太にディープスリーを決められて35-36と逆転を許した。
後半の立ち上がり、新潟はブースに5連続得点を許しタイムアウトを取ったが、再びトランジションからキャッチアップが遅れてブースに3ポイントシュートを射抜かれてしまう。その後も劣勢が続き、開始5分半にはラショーン・トーマスのフックシュートを浴びて、この日最大となる11点のビハインドを背負った。それでも、前半同様にベンチメンバーが悪い流れを変える。綿貫がゲームをコントロールしハーフコートオフェンスの精度を高めると玉木、遠藤の3ポイントシュートが連続で決まり1ポゼッション差に。その後も流れを渡さなかった新潟は最終クォーター開始約3分半、アルマがセカンドチャンスからダンクをねじ込み、再び逆転に成功した。
この勢いのまま突き放したいところだったが、疲れが見え始めた新潟は足が止まり得点が伸び悩んだ。守備でもカットプレーからイージーシュートを許し、ターンオーバーから速攻を決められるなど集中力が低下し、再び追いかける展開が続いた。残り49秒、トーマスの個人技から失点し6点差となって万事休すかに思われたが、アルマが3ポイントシュートを沈めて望みを繋げる。そして3点差で迎えたラストポゼッション、木村圭吾がタフな3ポイントシュートをねじ込み、残り0.3秒で同点に追いついた。
その後は絶体絶命のピンチを脱し、オーバータイムに持ち込んだ新潟の勝利への執念が上回った。インサイドに攻め込まれてもファウルをせずに身体を張り、マークが遅れても最後までチェックに行ってシュートを落とさせると、綿貫のオフェンスリバウンドから杉本のコーナースリーに繋げて抜け出す。そして、2点リードで迎えた残り17秒、ファウルゲームで得たフリースローを木村がしっかり2本沈めて、最終スコア79-75で勝利した。
大黒柱のロスコ・アレンが長期離脱となり、14連敗と苦しい戦いが続いていた新潟だが、開幕戦以来の勝利を手にし長いトンネルから抜け出した。