オットー・ポーターJr.

「ハングリーな若手に刺激をもらい、彼らを高いレベルへと導きたい」

ラプターズは11月2日のスパーズ戦で143-100と大勝した。フレッド・バンブリートが欠場したが、競ったのは第2クォーターの途中まで。前半最後の5分間で15-4のランで突き放すと、最後まで気の緩みを見せなかった。

ヘッドコーチを務めるニック・ナースは「スカウティングと試合の準備に真剣に取り組み、ゲームプランを忠実に実行し、ハードに戦った。タフなディフェンスで多くのターンオーバーを生み出し、イージーバスケットに繋いだことが勝因だ」と語る。

スパーズはケルドン・ジョンソンとデビン・バッセルを欠いていたが、それを差し引いてもラプターズの出来は良かった。バンブリートに代わってスタメン出場したのはルーキーのクリスチャン・コロコだが、プレーメークを担ったのはセンターのコロコではなくスコッティ・バーンズやパスカル・シアカムだ。

特にシアカムはビッグマンでありながらハンドリング能力もプレーを読む力も発揮してチームを助けた。大量リードがあったため第4クォーターは出場せず、プレータイムは28分だけだったが、22得点10リバウンド11アシストのトリプル・ダブルを記録している。

「重要なのは、イージーな得点のチャンスを作り出していることだ」とナースは言う。「周りの選手たちも良いスペーシングで彼のプレー選択を助けている。チームプレーが上手く機能しているよ」

指揮官が言うように、センターのクリス・ブーシェイは5本中3本の3ポイントシュートを決めるとともに、シアカムやバーンズが攻めるためのスペースを作り出した。ギャリー・トレントJr.はオフェンスが手詰まりになった時に責任を引き受け、フィールドゴール17本中9本と高確率で決めた。

チームプレーが機能していることについてOG・アヌノビーは「いつもやっていることだからね」と淡々と話す。「コートを広く使ってボールを動かす。例えばパスカルやクリスが走った時に、それに連動して僕らはポジションを取る。そうやってお互いにサポートし合うんだ。ただ、結局のところはハードワークできるかどうか。今日の勝利も全員が一生懸命にプレーした結果だよ。勝てない時はハードに戦えていないのさ」

ラプターズにとってもう一つの良いニュースは、オットー・ポーターJr.が移籍後初出場を飾ったことだ。ハムストリングを痛めて開幕に向けた準備が遅れ、個人的な理由でチームから離れていたこともあって、ここまでデビューが遅れた。昨シーズンはウォリアーズの一員としてNBA優勝に貢献。4カ月半ぶりの実戦で、これからラプターズの完成されたスタイルに馴染まなければならないが、11分のプレーで3ポイントシュート成功1本を含む5得点3リバウンド2スティールと上々のスタートとなった。

若手の多いラプターズでは、29歳でNBA10年目のポーターJr.は大ベテランの域に入る。2年1230万ドル(約17億円)の契約でラプターズに加入した彼は「ハングリーな若手に刺激をもらい、彼らを高いレベルへと導きたい」と意気込んでいる。