21本のターンオーバーを誘発させる好守を発揮

関東大学リーグ戦も終盤に入り、順位争いに大きく影響する3連戦の中日となった今日、首位の白鷗大と2位の東海大が対戦した。白鷗大が、試合序盤からディフェンスで東海大の出鼻を挫くと、その後はインサイドのアドバンテージを生かして73-52で勝利。ライバルから大きな一勝を手に入れ、残り3試合で2位以下に2ゲーム差とした。

試合開始直後からタフなディフェンスを見せ互いに無得点が続く中、先手を打ったのは白鷗大だった。関屋心のドライブから初得点を記録すると、ジョエル・モンガがオフェンスリバウンドからバスケット・カウントを奪うなどインサイドを支配し、8-0のランを成功させる。その後もモンガを中心にゴール下に攻め込み続けた白鷗大がリードを広げ、20-8で最初のクォーターを終える。

反撃したい東海大は第2クォーターの出だしから2-2-1のゾーンプレスを仕掛け、白鷗大のターンオーバーを誘う。続くオフェンスでは、西田公陽の3ポイントシュートと島谷怜のバスケット・カウントで点差は6点に。残り3分に、モンガから連続失点を許すも、このクォーターだけで7本のターンオーバーを誘発したゾーンプレスが最後まで効果を発揮し、東海大が8点まで点差を縮めて試合を折り返した。

後半に入ると、前半と同じく白鷗大が3ポイントシュート2本を含む8-0のランに成功し、さらにディフェンスも再び機能し始めた。チーム最高身長のシソコ・ドラマネやモンガを擁したゾーンディフェンスで、東海大の攻撃の芽を摘んでいく。第3クォーター終盤には、チームのスコアリーダーでこの日もゲームハイの17得点を残した脇真大の鋭いドライブから得点に成功し、リードを18点にする。

最終クォーターに入っても白鷗大の勢いは止まらず、クォーター序盤に東海林奨のダンクシュートが出るなど東海大を突き放す。東海大は再びゾーンディフェンスを仕掛けるが徐々に疲れが見え始め、白鷗大の足を止めることができず、21点までリードを広げた白鷗大が快勝した。

網野友雄ヘッドコーチ「自分たちのディフェンスに自信を持っています」

リーグ優勝の明暗を分ける大一番で勝利を収めた白鷗大の網野友雄ヘッドコーチは、次のように試合を振り返った。「一戦目で負けている相手だったので、同じ相手に二度負けないということが、インカレを見据えたうえでも重要でした。なので、一点差でも良いから勝つことを目標に戦いました。また、選手たちには伝えていませんでしたが、得失点差のことも考えて(一戦目で東海大が得た得失点差の)13点差以上の勝利を考えていたので、達成できて良かったです」

この日の白鷗大は、平均11.6本のターンオーバー数で勝ち上がってきた東海大に対して21本を記録させるディフェンス力を発揮した。また、試合中盤のゾーンディフェンスや、素早いマッチアップから速攻を許さない戻りの早さを見せ、東海大のオフェンスを封じ込めた。

「一番やられたくなかったのが、得点できなかった後のトランジションでした。ファストブレイクやオープンで3ポイントシュートを決められるのを避けたかった。試合序盤は、得点ができない中でもしっかり東海さんのオフェンスを止めることができていました。最初にリードをつかんで試合を進めることができて良かったです」

網野ヘッドコーチは、首位を盤石のものにしたディフェンスについて次のように語った。「 選手たちは自分たちのディフェンスの強度に自信を持っています。その強度をさらに発揮するために、チームルールを守ることはもちろん、コミュニケーションを取ってチームディフェンスを向上させていきたいです」

明日の白鷗大は、リーグ屈指の高さを誇る筑波大と対戦する。持ち前のディフェンスから勝利をつかみ、優勝に王手をかけたいところだ。