パトリック・ベバリー

「プロフェッショナルならば守るべきルールがある」

パトリック・ベバリーは、NBAで最も闘争心をむき出しにして戦うプレーヤーの一人だ。執拗なディフェンスで相手を苛立たせ、それだけでなく相手を挑発し、罵るトラッシュトークで心理的にも揺さぶりをかける彼は、対戦相手からすれば嫌な相手であり、彼自身も相手チームの選手から嫌われることを誇りに思っている。

かつて彼は「別に傲慢な人間になりたいわけでも、酷い男になろうとしているわけでもないが、自分のチームの選手以外はみんな嫌いだ」と、敵を作ることを恐れない発言をしており、実際に敵も多い。

その一方で、味方になればこれほど心強い男もいない。ラッセル・ウェストブルックとは若手時代から散々にやり合ってきたが、今オフにレイカーズでチームメートとなると、すぐさま強力な信頼関係を築いている。逆に一昨シーズンにはサンズのクリス・ポールを、タイムアウトで試合が止まっている時間帯にもかかわらず後ろから突き飛ばすなど、かつての仲間であっても敵となれば容赦ない。

彼の行動指針は「仲間は守る、敵には容赦しない」だ。荒っぽい振る舞いは多くても、これに反する行動は認めない。自身のポッドキャスト番組でベバリーは、ウォリアーズのドレイモンド・グリーンがジョーダン・プールを殴打した事件に触れ、「あれには驚いた。絶対にあってはならないことだ」と語った。

「自分が所属したどのチームでも、あんなことはなかった。口論はよくあるし、突き飛ばすぐらいはあったかもしれないが、チームメートの顔を殴ることはない。プロフェッショナルならば守るべきルールがある。一線を越えてはいけないんだ」と彼は言う。

レイカーズは10月18日にレギュラーシーズン開幕戦でウォリアーズと対戦する。この発言もまた、ウォリアーズを心理的に揺さぶるベバリー一流のトラッシュトークなのかもしれない。