千葉ジェッツ

千葉J指揮官「今日はラッキーなエンディングとなった」

千葉ジェッツvs大阪エヴェッサの開幕節第2戦は、最後までどちらが勝つか分からない展開となったが、千葉Jが89-88で勝利し、開幕2連勝を飾った。

立ち上がりはともにディフェンスの強度がオフェンスを上回り、どちらもペースをつかみ切ることができないまま時間が過ぎたが、第1クォーター中盤から千葉Jが主導権を握る。これまではサイズに加え機動力もある大阪のインサイドディフェンスに手を焼いていたが、富樫勇樹や大倉颯太、原修太といったバックコート陣が縦へのアタックに加えて、横への動きも入れることで大阪ディフェンスを揺さぶり、オープンでのシュートチャンスを作り出す。さらにディフェンスでも大阪のガード陣への当たりを強めることで起点を作らせず、残り約4分間を12-2とした千葉Jが24-14とリードして第1クォーターを終えた。

このまま千葉の流れで進むかと思われたが、第2クォーターになると大阪が主導権を握る。ショーン・オマラを起点にインサイドから攻めると、合田怜も隙あれば果敢にアタックして得点を重ねていく。ディフェンスでもオマラがリムプロテクターとして存在感を発揮。さらに、このクォーターだけで6ターンオーバーを誘発したようにチーム全体で守備の強度を上げた大阪が、堅守から速い展開を作り出し、オフィシャルタイムアウトまでの約5分間を14-3として逆転する。その後は一進一退の攻防が続いたが、ヴィック・ローの3ポイントシュート、そして二上耀が前半終了のブザーとともに3ポイントシュートを沈めた千葉Jが、40-32と再びリードして前半を終えた。

第3クォーターは互いに譲らない時間が続いたが、千葉Jが1、2ポゼッションのリードを守り続けて、66-61で最終クォーターを迎える。クリストファー・スミスが2本連続で3ポイントシュートを沈めた千葉Jが立ち上がりでリードを2桁に広げたが、大阪もファウルトラブルでベンチに下がっていたディージェイ・ニュービルが3ポイントシュート1本を含む3連続得点を挙げて点差を詰めると、そこからは点の取り合いに。

残り1分を切って千葉が88-86とリードしていたが、残り47秒で富樫が鈴木達也にフリースローを与えてしまい88-88と同点に。しかし、残り5.1秒でリバウンド争いの際にローがオマラからファウルを獲得し、すでにチームファウルは5つに達していたため千葉Jにフリースローが与えられた。この際に、大阪の指揮官マティアス・フィッシャーは今シーズンから導入された『ヘッドコーチチャレンジ』を活用したが判定は変わらず。ローは1本目のフリースローを外したものの、2本目を決め切り、千葉Jが89-88と1点リードに。そして迎えた大阪のラストポゼッションで、ニュービルがブザーとともに3ポイントシュートを放ち見事に決め切ったが、数コンマ間に合わずにそのシュートはカウントされず。最終スコア89-88で千葉Jが勝利した。

大阪は開幕2連敗となったが、指揮官フィッシャーは「誰一人、最後まであきらめずにプレーしたチームを誇りに思う」と振り返った。また、ニュービルの得点はゲームハイの23得点まで伸びた中でも、アイラ・ブラウン、鈴木、オマラ、合田と計5選手が2桁得点を記録し、「チームのアシスト数も多く(20本)、多くの選手が2桁得点を記録しました。一人でやるバスケットではなく、目指しているチームバスケができてうれしい」と振り返った。

勝利した千葉Jの指揮官ジョン・パトリックは「今日の試合はラッキーなエンディングとなって2連勝したけど、リズムが良い時はゲームプラン通りボールが動いていて、オープンシュートを打てました」と語る。それでも、「ボールが止まっていた時にリズムに乗れず、ディフェンスのセーフティーも忘れて、大阪にイージーシュートを許してしまいました」と反省点を挙げ、こう続けた。「まだ、開幕して最初の2試合だから、100%のオフェンスではないけど、ベンチの雰囲気やお客さんの応援で最後まで頑張れました」