2010年以降では1位の平均得点、プレーオフ第1シードを獲得
スパーズの前アシスタントコーチで、今シーズンからWNBAラスベガス・エイシーズを指揮するベッキー・ハモンがコーチ・オブ・ザ・イヤーに選出された。これはWNBAを取材する計56名のスポーツライターや放送関係者によるメディア投票で決めるもので、ハモンは2位のタニシャ・ライト(アトランタ・ドリーム)を10票上回る27票を集めての受賞となった。
ハモンの指揮の下、今シーズンのエイシーズはリーグトップの平均90.4得点をマーク。これはリーグ歴代3位かつ、2010年以降ではトップの数字で、近年のWNBAでは最も攻撃的なチームを作り上げたことになる。そしてレギュラーシーズン26勝10敗でプレーオフ第1シードの座を獲得し、現地28日から始まるセミファイナルに勝ち残っている。
現役時代のハモンは、WNBAで16シーズンに渡ってプレーし、現役最後の8年間に在籍したサンアントニオ・シルバースターズでは2008年にリーグ優勝を達成。オールスター6度選出を誇り、2021年に発表したリーグ創設25周年を記念した最も偉大な25選手の一員に選出されている。
今回の受賞でハモンは、元WNBAでコーチ・オブ・ザ・イヤーを受賞する史上3人目となったが、元選手がコーチ初年度で受賞するのは史上初のこと。また、シルバースターズがフランチャイズを移転し2018年からエイシーズが誕生した経緯を踏まえると、現役時代にプレーした古巣を指揮し、同賞に輝くのは今回のハモンが初めてだ。
2014年から昨シーズンまでスパーズでアシスタントコーチを務め、NBA史上初の女性ヘッドコーチの最有力候補と評されるなど、ハモンは卓越した指導力に定評があった。エイシーズは過去3年間で1度のファイナル、2度のセミファイナル進出と、彼女が就任する前からWNBA屈指の強豪チームだ。それでも、就任初年度でしっかり結果を残したことでハモンの評価はさらに高まったと言える。