バスケット・カウント事業譲受の真相(後編)「ファンがより推しを推せるメディアへ進化し、選手個人をよりスター化」

バスケット・カウント事業譲受の真相(後編)「ファンがより推しを推せるメディアへ進化し、選手個人をよりスター化」

2022/08/18 17:00
株式会社マイネット

バスケット・カウント事業譲受の真相(前編)「バスケの愛と魅力を集中化へ」
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前編から続き、マイネットの代表取締役社長である上原仁、取締役専務執行役員の岩城農、ティーアンドエスの代表取締役を務める稲葉繁樹が集い、今回のバスケットカウント事業譲受に至った経緯や今後の展望について話し合った。

「選手個人が立っていくということが、みんながハッピーな形に繋がる」

──あらためて、バスケットボールとはどのように関わってきたのかを教えてください。

上原 私は幼稚園の時からずっと剣道をしてきたので、やるスポーツとしてのバスケとの関わりはあまり深くなく、滋賀レイクスと琉球ゴールデンキングスをウォッチする中で関わってきた感じです。ただ、特に経営をやっていると大変なことやストレスが溜まる場面が多い中で、見るスポーツとしての野球、サッカー、バスケというものに救われてきました。私は長年、J2のFC琉球を応援していますが、正直マニアックですよ(笑)。ただ、マニアックなほど、密接な繋がりのコミュニティになっていきます。この見るスポーツがあるおかげで気の置けない仲間もでき、スポーツの周りに生まれるコミュニティの価値の高さを知りました。マイネットが大事にする人の繋がり、コミュニティという軸を組み合わせて考えた時に、事業としてしっかり取り組めると思ってサッカー、バスケという順で踏み込みました。

稲葉 私は高校で辞めてしまいましたが、小学生のころからバスケをしてきた、ブルズとデリック・ローズを愛する草バスケプレーヤーです。強豪校は誰かを蹴落としてでもレギュラーになってナンボという世界で、中高生の時は厳しい業界だなと思っていましたが、草バスケは利害関係もないフラットな関係性で楽しいですね。バスケで仲良くなった人と飲みに行ったり食事に行ったり、仁さんが言うようにこれがスポーツの良さだと思います。特にバスケはいろいろな垣根のないスポーツだと心から思っています。

岩城 私は1987-88のニックスの試合を父に連れられて見に行った時に衝撃を受けて以降、足がつって学校に行けなくなるくらいずっとシュート練習を一人でしていました。私にとって、家族以外の初めてのスーパーヒーローがバスケ選手だったんです。そこから戦術もそうですし、トレーディングカードとかビデオゲームといった権利関係のものも気になり、ファンタジースポーツはもちろんですが、バスケにとにかく一番惹かれています。競技自体は高一くらいで離れましたが、あこがれがずっと続いているのがバスケですね。

──選手やファン、メディアとの関係性についてはどのように考えていますか?

上原 まず、以前と比べると平均給料は4、5倍になっていて、Bリーグの選手の存在感が一気に高まっている時期だと思っています。少し前までは選手として食べていけないからやめなさいと言っていた親御さんも多かったと思いますが、プロ選手になれるなら頑張ればいいんじゃないと考え方が変わった方もいるはずです。この約5、6年でBリーガーが子どもたちのあこがれの対象になってきていると思います。

稲葉 そうですね、選手の価値は上がっていると思います。決してインスタのフォロワー数だけではなく、100人でも300人でも選手のファンがいるという事実が重要だなと。メディアと選手の在り方があり、そこにファンがついてくるとたくさんのチェーンが起こる。バスケ界で一番足りないのがそうしたコミュニケーションで、選手の価値をより高めることにもっとメディアが協力していく必要があると感じています。

上原 まさに稲葉さんがおっしゃっているところだと思います。もちろんクラブ推しの方もいますが、推しのクラブは転々とする前提で一人の選手を10年間追いかけ続けるファンも増えています。例えば、選手ごとのグッズもなかなかなく、今は試合会場での接点だけになってしまい、そういう方々がその選手をもっと推すきっかけがない。この、推したいのに推せない状態をメディアが解決し、選手個人をしっかり立たせることが結果的にファン全体の熱量を高めていくと思います。消費額や来場の回数が多いなど、推しの選手がいる人のほうが熱量が高いというデータもあります。結果的に選手個人が立っていくということが、みんながハッピーな形に繋がると思います。

株式会社マイネット

「ファンタジースポーツのためにご一緒するわけではない」

──選手個人を立たせるということはファンタジースポーツにも通ずるところがあるように思えます。

岩城 ファンタジースポーツ自体、まだ日本では浸透していないですが、チームを含め選手を応援している人だったら、ついでにやった方が絶対に楽しいゲームだと思っています。バスケの魅力はなくなるどころか増していく構造にあると強く信じて疑わないので、スタッツという角度から、選手を応援する新たなツールとなってほしいですね。放置型で操作がいらないといったことを加味しても、スマホの最前列を取る上でこれ以上のものはないと思っています。

稲葉 ファンタジーは僕も好きですが、今後のマイネット社のバスケット・カウントはレイクスやファンタジースポーツの記事ばかりが出るんじゃないかな(笑)?

岩城 いえ、レイクス色もそうですし、ファンタジースポーツのためにご一緒するわけではないのでメディアの公平性は継続していきます。日本のバスケットボールがもっと生活に密着し、コンテンツを強化するためにという話からプロジェクトがスタートしていますから。メディアとして成長を維持、継続していくことが手段であり、間違っても主語が単一クラブや単一事業になることはなく、主語はあくまでも日本のバスケットボールです。その中にはBリーグもありますし日本代表もあります。Wリーグもアマチュアスポーツもあって、日本のNBAファンもいます。また、スポーツに熱狂している国民が多い国は幸福度が高いというデータがあります。時間はかかるかもしれないですが、様々なコンテンツを提供し、さらにバスケファンの皆様が推しのクラブや選手の情報を探しやすく、夢中になれるモノを作っていきたいです。

稲葉 よろしくお願いします。最後に私からお伝えしたいことがあります。先端技術を活用した空間づくりの仕事が今増えていて、日本全国に新しいアリーナができる中でいろいろな相談も受けているのですが、アリーナがどうあるべきかというのは地域でキラーな事業だと思っているんですよね。NBAのニックスやレイカーズはアリーナが正しく聖地化されていますが、バスケが牽引しているけどバスケだけじゃない、この在り方ってこれからのバスケ業界の課題だと思っています。メディアもあり、トータルでスポーツDXをやっていかれるマイネットさんに対して、そういった地域の聖地化への期待感がすごくあります。私たちもバスケ界から完全に離れるわけではなく体験の方で新たな価値を提供していきたいと思っているので、今後もご協力できればと思っています。

上原 滋賀レイクスとしても、もちろん滋賀にアリーナを成立させて新B1に行くことを目指していますし、アリーナはこれから向こう50年、地域の象徴になるものだと思っています。そして、今後は『人の数×消費』ではなく、『人の中に生まれる熱狂の度合い×金額』のような形で消費が行われるように変換されていくべきだと思うんです。現在の地域におけるスポーツの役割はそれだと思っていて、一人の人が単に物を売ったり買ったりする消費ではなく、一人の人が自分の中に生まれた熱狂の分だけ消費をしたり、周りに対して影響を与えていく、そのための真ん中に地域スポーツが存在し、それに会いに行く場所としてアリーナが存在する。ですので、これから50年の地域社会経済を作っていくという考えでアリーナを作らないといけないと思っているので、当然、デジタルとリアルを融合させた体験作りに取り組んでいますし、そこが重要になってくると思うので、ぜひ盛り上げていきましょう。

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