サザランドが勝負どころで持ち味を発揮し25得点
10月21日、シーホース三河とサンロッカーズ渋谷の一戦は、25得点を挙げたジェームズ・サザランドに牽引された三河が最終スコア76-71で渋谷を退けた。
拮抗した試合が動いたのは第2クォーター終盤。サザランドの3ポイントシュートで三河が31-26とリードを広げたのをきっかけに、オフェンスが勢いづく。生原秀将がベンドラメ礼生のシュートをブロックすると、オフェンスに転じてはキレのあるドライブでディフェンスにズレを作りだし、アウトサイドシュートを次々に沈める6連続得点で37-26とSR渋谷を突き放した。
それでも後半はSR渋谷が食い下がる。チーム一丸のディフェンスで三河のオフェンスを停滞させ、オフェンスではライアン・ケリーを中心に速い展開に持ち込んで追い上げる。第3クォーター残り3分、広瀬健太の3ポイントシュートで44-43とし逆転に成功した。
この勢いのまま勝ち切りたかったSR渋谷だが、アウトサイドからインサイドにボールが入らず、ペイントエリアを使えなくなったことでオフェンスが停滞。ここからズルズルと外国籍選手頼みの悪い流れにハマってしまい、攻守ともに噛み合わなくなってしまう。
新司令塔の生原、ほぼフル出場で試合を掌握
三河はハーフコートでは桜木ジェイアールのポストを中心にオフェンスを安定させ、トランジションオフェンスではサザランドが躍動。高い身体能力を生かした動きと精度の高いジャンプショットでディフェンスを翻弄する。サザランドは第4クォーターだけで16得点の大暴れを演じ、試合残り2分半で72-54と大量リードを奪い試合を決定づけた。SR渋谷はここからアウトサイドシュートが当たり始めて食い下がるも及ばず。三河がこの週末を連勝で飾った。
三河は開幕5連敗と散々なスタートとなったが、この連勝でひとまず落ち着けるはず。ディフェンスではSR渋谷のドライブを許さないことで、ケリー、ロバート・サクレといった強力コンビを孤立させて、良いオフェンスがあったとしても単発に終わらせた。またオフェンスでは桜木、サザランドといった2人のビッグマンが持ち味を発揮し、40分間を通して軸となっている。
若き司令塔の生原はプレータイムが39分58秒。15得点6アシストよりも、加入早々これだけの信頼を得ていることは特筆すべきだろう。「苦しい時間帯もみんなで我慢しながら戦えた」と試合を振り返る生原は、「開幕してから毎試合毎試合良くなってきていて、負けている時も下を向いている選手はいなかった」とチームを語る。次は平日開催の24日、ホームで中地区首位の富山グラウジーズと対戦する。三河とは対照的に好スタートを切って中地区首位に立つ富山との一戦は、ようやく立ち直った三河にとって今後のシーズンを占う大事な試合となる。