文=鈴木健一郎 写真=©NAGOYAD

リーグと代表が選手を刺激し、互いに高め合う『良い関係』を

10月31日、台湾遠征を行う日本代表候補12名が発表された。台湾リーグの2チームと戦うことで、アジアでの実戦経験を積むのが目的だが、来年から始まるワールドカップ予選に向けた、アウェー戦の海外遠征のシミュレーションという意味もある今回の代表活動は、短期間だが重要なものとなる。

発表されたメンバーの中で目立つのは、名古屋ダイヤモンドドルフィンズから招集された若い3人だ。24歳の中東泰斗と23歳の笹山貴哉は代表候補初選出。24歳の張本天傑はFIBA ASIAチャレンジから引き続いての代表参加となる。Bリーグ西地区で首位を走るチームの推進力となっている活躍が認められた形だ。

中東は今回の招集を受け、次のようなコメントを発表している。「このたび日本代表に選出されたことを非常にうれしく思います。与えられた役割をしっかりと把握し、結果を残してこれからも日本代表選手として選出され続けるように精進して行きたいです」

同じく笹山もコメントを発表している。「このような素晴らしい機会を与えてもらえて素直にうれしく思います。シーズンの途中で他チームの選手とプレーできる機会も海外に行ける機会もあまりないことなので、一つひとつことをしっかり学んでいきたいと思います」

同じく24歳の安藤誓哉も、秋田ノーザンハピネッツでのアグレッシブなプレーが認められ代表候補入りを果たした。

Bリーグが始まり、そこで活躍した選手がすぐさま代表に引き上げられるのだから、選手にとっては大いに刺激になる。今回選ばれた選手以外にも、「次こそは」と意欲を燃やす者がたくさんいるはずだ。Bリーグと日本代表の活動がうまくリンクし、日本のバスケットボールのレベルを引き上げてくれることを望みたい。

今回招集された中東、笹山、安藤の3名は、その道筋を切り開く重要な役割を担っている。ある程度出来上がった日本代表のスタイルに短期間で馴染むのは簡単ではないが、それぞれ自分らしいプレーでチームに貢献し、代表に『爪跡』を残してもらいたいものだ。