40分間オン・ザ・コート『2』に変わったことで「難しい」頭を悩ます指揮官たち

2018/10/04
Bリーグ&国内
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Bリーグ

文=泉誠一 写真=B.LEAGUE

ローテーションやファウルトラブル対応など新たな悩み

いよいよ本日より3シーズン目のB1が開幕する。開幕に先駆け、いくつかのクラブがアジアの国々と競い合う国際大会に出場。琉球ゴールデンキングスはテリフィック12で優勝。開幕直前ながらも、日本チャンピオンを送り出すことができたアジアチャンピオンズカップではアルバルク東京が準優勝を果たした。それら国際大会を通じて感じたのは、Bリーグには元NBAといったネームバリューだけではなく、バスケIQが高い外国籍選手が来ているということである。

昨シーズンまでのBリーグでは、その外国籍選手を同時起用できるのは各クォーター最大2人まで、40分間を通して合計6人までの中でオンザコート数を割り振っていた。しかし今シーズンから新たに、全クォーターにおいて2人同時起用可能なオンザコート『2』が採用される。コート内の40%を外国籍選手が占めることができるレギュラーシーズンだが、昨シーズンまで可能だったもう一人の外国籍選手をベンチにスタンバイさせることができない。

ベンチメンバーは2人までとなるが、登録は3人まで認められている。「3人獲得したので、その起用法を毎試合考えなければならないのは難しい」という三遠ネオフェニックスの藤田弘輝ヘッドコーチは、新たなる悩みを吐露した。Bリーグの選手登録期限が2月末のため、3人目を抱えておくことでの安心感はあるだろう。その一方で、ローテーションなど起用法は難しくなる。コンスタントに試合へ出場させなければ、いくら良い選手でも試合感覚を失いかねない。選手のコンディションや相手とのアジャストなどを考慮しながら、最大限の力を発揮させなければならない分、指揮官の苦労が増えた。

さらに、ファウルトラブルやケガなど、試合中に起こるアクシデントにも備えなければならない。アーリーカップ中地区を制した名古屋ダイヤモンドドルフィンズだが、マーキース・カミングスが第1クォーターに2つのファウルを犯し、終盤にはジャスティン・バーレルがケガでコートを去っている。梶山信吾ヘッドコーチも「難しい」と、やはり新しいこのレギュレーションに頭を悩ませていた。「危機的状況になったときに対応できるディフェンスを練習してきた。いろんな試し方もあったかと思うがシンプルにアグレッシブに、フィジカルにディフェンスをすることで補えることができた。そこはプラスだった」と外国籍選手だけに頼らない軸が必要と言える。

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いつでも起用可能な帰化選手によるアドバンテージ

ベンチメンバーと同じく、2人しか外国籍選手を登録しなかったクラブも少なくはない。レバンガ北海道、横浜ビー・コルセアーズ、滋賀レイクスターズ、京都ハンナリーズ、大阪エヴェッサ、琉球ゴールデンキングスと全18クラブ中1/3を数える(10月4日現在)。横浜と大阪、琉球は帰化選手がいることはアドバンテージとなる。今シーズンより帰化選手は、外国籍選手とは別に1人までプラスして登録ができるようになった。さらにオンザコート『2』に加えて、試合中いつでも起用できるのも昨シーズンとの大きな違いだ。

外国籍選手を3人登録し、さらに帰化選手を擁するのは千葉ジェッツ、サンロッカーズ渋谷、川崎ブレイブサンダース、シーホース三河。一足早く開幕したB2の茨城ロボッツも、帰化選手を抱えるクラブだ。B1から降格した西宮ストークスに2連勝し、好スタートを切った。岩下桂太ヘッドコーチは、「帰化選手のメリットをいかに出すかを常に考えており、それを出せないときが非常に難しい」と外国籍選手3人+帰化選手の全てを抱えるクラブにとっても、その起用方法による試行錯誤は続く。

それぞれの指揮官が『難しい』と声を揃える新ルール。逆に割り切って2人しか登録しなかったクラブの方が、チームケミストリー良く好転する可能性だってある。ケガのリスクはどの選手であっても変わらず、一人でも欠ければクラブにとっては大きな痛手となる。

指揮官にとっては頭を悩ますこのレギュレーションだが、『助っ人外国人』に頼ることなく、日本人選手が活躍する日本のリーグへと成長できるチャンスでもある。一方で、帰化選手を合わせたオンザコート『3』のパワープレーで圧倒するクラブが出てくるかもしれない。ファンにとっては、どの組合せが良いかを妄想する楽しみが増える。