カイル・クーズマ

写真=Getty Images

未経験のポジションだが「上手くいく姿が想像できている」

レブロン・ジェームズのレイカーズ入りが決まった直後から、レイカーズ版の『死のラインナップ』が見られるのではないかと噂されている。『死のラインナップ』とは、主にウォリアーズのスモールラインナップを指す言葉で、昨シーズンのチームではステフィン・カリー、ケビン・デュラント、クレイ・トンプソン、アンドレ・イグダーラ、ドレイモンド・グリーンの組み合わせ。スキルとスピードと連動性で高さを凌駕するスタイルだった。

レイカーズ版では、レブロンをセンターに起用し、ロンゾ・ボール、ジョシュ・ハート、ブランドン・イングラム、カイル・クーズマを送り出すと見られていた。しかし、かつてはウォリアーズでスティーブ・カーのアシスタントを務めたルーク・ウォルトンは、クーズマをビッグマンに起用するプランを練習で試している。

トレーニングキャンプでの練習後、クーズマはメディアに「最近は5番でプレーすることもある。今のところ良い感じで、慣れてきているよ。これまで5番をやったことがないからね」と語った。

実際には高校時代にセンターで起用されたことがあったようだが、本人曰く「カウントできない程度」だったそうだ。スモールラインナップについてクーズマは「スモールボールでのプレーはチームにとって良いと思う。まだ取り組んでいるところだから、慣れればさらに良くなるよ」と話した。

ウォリアーズの『死のラインナップ』で特に重要な役割を担っているのは、センターで起用されるグリーンだ。ディフェンスでスイッチを多用するウォリアーズ版では、ガードからセンターまで守ることのできる機動力を持つグリーンが状況に応じて他のポジションをカバーするため、瞬間的にミスマッチになったとしても付け入る隙を見つけにくい。

レイカーズ版でビッグマンのポジションを担う可能性があるクーズマは、まだ慣れない5番で最も大変な部分に、ディフェンスを挙げた。声を出して指示することも増えるため、クーズマはウォルトンと一緒に練習での映像を見直し、改善点を探り続けている。

「ディフェンスではアンカーにならないといけないんだ。5番の選手がピック&ロールやスクリーンに対する指示を出さないといけない」と、クーズマは言う。「5番は、たいていリム周辺にポジションを取るから、あらゆる部分が見えている。練習の映像を見直すことで、アンカーになるために必要なことを学習できているよ。上手くいく姿が想像できている」

もともと万能性の高い選手だったが、オフのウェイトトレーニングで身体が大きくなったことで、センター起用という案が出たのだろう。クーズマも、練習でこれまでとの違いを感じている。「ポストプレーや、守備でマークしている選手をスポットに追い込む時、接触する時に違いを感じるね。これは、ウェイトトレーニングの効果だと思う」

レイカーズのプレシーズンゲームは、9月30日のナゲッツ戦から始まる。クーズマがセンターでプレーするレイカーズ版『死のラインナップ』が実戦で見られるかどうか、そして新たなポジションで可能性を感じさせてくれるかどうか、楽しみでならない。