ジェームズ・ハーデン

ハーデンとエンビードの強力デュオ誕生、シクサーズは一気に優勝候補に

セブンティシクサーズとネッツの間で大型トレードが実現した。ベン・シモンズとジェームズ・ハーデンのトレードだ。シクサーズにはハーデンとポール・ミルサップが、ネッツにはシモンズとセス・カリー、アンドレ・ドラモンド、2022年と2027年の1巡目指名権が移る。

シクサーズにとっては、ようやく『ベン・シモンズ問題』が片付くとともに、悲願だったハーデン獲得を成し遂げることとなった。球団社長のダリル・モーリーは、かつてロケッツのGMとしてハーデン中心のチームを作り、NBA優勝を目指してきた人物。もともとシモンズがシクサーズに不満を抱いたのは、ロケッツにいたハーデン獲得のためのトレード候補とされたことがきっかけだと言われる。昨シーズンのプレーオフで両者の関係破綻は決定的となり、シモンズは今シーズンのプレーをボイコット。モーリーも安直なトレードに踏み切ることなく、チャンスを待ち続けた。

ハーデンはネッツにトレードを要求したものと思われる。ケビン・デュラントとカイリー・アービングとの『ビッグ3』はネッツを絶対的な優勝候補へと引き上げたが、実際はケガやカイリーのワクチン接種を巡る問題のため、3人が同時にコートに立ったのはこれまでわずか364分のみ。ハーデンはロケッツ時代からプレースタイルを変え、個人のスタッツを犠牲にしてチームプレーに徹してきたが、自己犠牲が結果に繋がらない状況に嫌気が刺したのだろう。『ビッグ3』のコンディションがチームの最大の問題であるにもかかわらず、酷使し続けるスティーブ・ナッシュの起用法にも不満があったのだと思われる。そのナッシュは「ハーデンは移籍しない。我々はこのメンバーで戦い続ける」と明言したが、ほどなくその言葉は嘘になった。

シモンズ抜きでも32勝22敗と十分な結果を残していたシクサーズでは、ハーデンとジョエル・エンビードの強力デュオが誕生した。エンビードのリムプロテクトに加え、ディフェンスに優れたガード陣はハーデンの守備面の弱点をカバーできる。ネッツでやっていたオフェンス面での自己犠牲は限りなく少なくなり、ロケッツ時代のスコアリングマシーンが復活するとなれば、競争が激化した東カンファレンスでも優勝候補となる。長らく続いた『シモンズ問題』が片付いたことが選手たちのメンタルに与えるプラスも非常に大きいはずだ。

シクサーズは今オフにハーデンと新契約を結ぶことになるだろう。コンディションに不安を抱えるようになったハーデンとの超大型契約はリスクではあるが、現在27歳のエンビードがキャリアの全盛期にある間に優勝を狙う上では最善の選択肢の一つだ。

ネッツにとって、ハーデンに出ていかれたことは痛手となる。それでもシモンズがこのトレードを機にプレーを再開し、試合勘を取り戻せば、チームの弱点だったディフェンスとリバウンドは大きく改善される。サイズ不足が目立つチームだけに、ドラモンドの獲得も効果がありそうだ。いずれにしても、トレードデッドラインを前に超大型移籍は実現した。それぞれのチームが今回のトレードでどう変わるか、しばらくは目が離せない。