神田康範社長「B1で存在感を作る1年にしていきたい」
ライジングゼファーフクオカは8月24日に新体制発表会見を行った。Bリーグがスタートした2016年にはB3からの出発を強いられた福岡だが、2年連続の昇格を成し遂げて、新シーズンは初めてのB1に挑む。
説明に多くの時間が割かれたのが経営面の改革だ。今年3月、外部から新社長に神田康範を迎えて経営体制を刷新。これまで福岡はクラブ経営が安定せず、経営基盤が脆弱であるためにbjリーグで実績があったにもかかわらずBリーグ創設に際してB3に編入された。ここ2年、コートでは昇格という結果が出ているが、経営面は不透明。新たな経営陣が指針を示す必要があった。
神田康範社長はまず第一に「まずはB1に定着すること。3年後の優勝から逆算して、B1で存在感を作る1年にしていきたい」とチームの目標を設定し、同時に「経営、フロントスタッフも成長していかないといけない。名実ともにフロントとチームもナンバーワンになれるように3年後を見据えて経営していきたい」と語る。
過去の福岡はパトロンとしてのオーナーが赤字を補填することで成り立っていた。いわばオーナーによる一本柱の体制だが、2006年の創設からオーナーが何度も変わる不安定な体制だった。新たな経営陣はここを変え、「チケット」、「スポンサー」、「グッズ」、「ファンクラブ」、「育成」の経営の5本柱を立てると説明。昨シーズンでさえ収入の4分の3はオーナーの補填に頼っていた状況を刷新すべく、新シーズンには5本柱で4分の3以上の収入を稼ぎ出し、オーナーからの収入は15%に留める予算を立てている。
遅ればせながら『夢のアリーナ』実現へ前進」
開幕を1カ月後に控えた現在の時点で、B1昇格効果もありシーズンチケットの販売やスポンサー獲得は順調に進んでいるそうだが、「進捗のスピードとしてはまだ甘い」、「これぐらいの数字はクリアしないといけない」と売上達成に向けて緩みはない。
また同時に開幕に向けた『B1仕様』のアリーナ盛り上げ施策も着々と整えられている。12月から使用を開始する新アリーナとなる福岡市総合体育館ではビールの販売が決定、アリーナグルメも充実させる。またダンス&ボーカルユニットの『RZ』とチアリーダー『RsunZ』、新たなマスコットも決定し、キッズコーナーやVIPエリアも設けられるようになった。B1昇格と新しいアリーナの完成が重なり、遅ればせながら『夢のアリーナ』実現へ前進し始めた。
福岡にとってはオンコート以上にクラブ経営の面で成長し、結果を出さなければいけないが、2年連続昇格を成し遂げた今も満足せず、大きなレベルアップを期している。『バスケどころ』である福岡のプロクラブが安定した成功を収めれば、Bリーグの『東高西低』の勢力図を変えることも可能だろう。チームもフロントも高い志を持って、B1のシーズンに挑む。
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