16得点6リバウンド、ピンチに陥ったチームを支える
サンロッカーズ渋谷と新潟アルビレックスBBとの第2戦、SR渋谷はオーバータイムにもつれる激闘の末に敗れた。大黒柱のライアン・ケリーの調子が上がらず、ファウルトラブルに陥ったことが苦戦を招いたが、そこでチームを救ったのがファイ・サンバだった。
サンバは16分間の出場で9本中8本のシュートを成功させて16得点、6リバウンドも記録した。最大13点のビハインドから巻き返し、延長戦へと導いた。
チームにとってケリーのファウルトラブルは想定外。「今日みたいに何が起きるか分からないので、チームが困ってる時に誰かがステップアップしなきゃいけない」と話すサンバ自身が結果を残した。
サンバは得点を多く取るタイプの選手ではない。「周りに良いシューターがいるから、彼らに気を取られた時に空いてる時にいけた」と、チームメートのおかげと主張したが、同時に「アグレッシブに行こうと思った。ボールをもらったら得点を取るという意識だった」とも語った。
選手それぞれ役割は異なるが、ボールを保持してもゴールを狙わない選手はディフェンスにとって怖くはない。サンバのように、まず得点を狙う姿勢はどんな選手にも求められる。
「みんなで支え合ってステップアップしていきたい」
SR渋谷は特にタイムシェアを積極的にしているチームであり、現在の順位を見てもその策が成功していると言える。だが、ケリーとセバスチャン・サイズの2人の外国籍選手のプレータイムは平均30分を超えている。ほとんどのチームで外国籍選手のプレータイムは長く、日本人ビッグマンの出場時間は限られる傾向にある。帰化選手のサンバもその割を食う形となり、チームの中で最もプレータイムは少ない。
伊佐勉ヘッドコーチは、「サンバは15分くらいプレーしたら、7点8点くらいは確実に取れます。もっとプレーさせたいと思っていますが、僕がそこまで引っ張れない事実がある」と言う。
そんな状況で「サンバが悪いわけではないという話はしている」とコミュニケーションを取っているようだが、やはりプレータイムは自分で勝ち取るもの。サンバ自身が今回のように結果を残すしかない。
大黒柱のロバート・サクレが突然の現役引退を決めたことで、サンバは今シーズンのプレータイムは増えると考えただろう。その期待は外れたが、サンバは常に準備を怠らなかった。それがサンバ自身の考えるプロ選手のあるべき姿だからだ。
「不貞腐れたりとか、あきらめる気持ちがあったら引退したほうがいいかもしれないですね。自分が持っている力を信じてやり続けるだけです。新しいメンバーも入ってきて、余計に出たい気持ちも沸いていますが、1分だろうが何秒だろうが、監督がやってほしいことを一生懸命考えて、自分の能力を生かせる場面で生かしたい。必要じゃなかったらこのチームにいない。みんなが必要なので、みんなで支え合ってステップアップしていきたい」
伊佐コーチは「今日のような仕事をコンスタントにできるようになれば自ずとプレータイムも伸びます。イコール、ライアンやセバスチャン、ジャクソンが休める。勝負どころで彼らがより力を発揮できて、チームで戦っていけるようになります」とも語った。
タイムシェアはSR渋谷がハードに戦う続けるためのカギになる。サンバがプレータイムを伸ばし、外国籍選手のタイムシェアもより進むようになれば、今シーズン開幕からSR渋谷が見せているハードワークはさらに強調できる。サンバのステップアップはSR渋谷の大きな伸びしろだ。
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