アンソニー・エドワーズ&ジュリアス・ランドル

高さの優位性を発揮できず、外のシュートも決まらず

西のカンファレンスファイナルは、ゲーム2で最大24点差を付けて118-103と完勝を収めたサンダーの2連勝となりました。サンダーの3ポイントシュートが27.3%しか決まらなかったにもかかわらず2桁リードを保つ展開で、ティンバーウルブズはオフェンスを大幅に改善できなければ勝利が見えてこない状況です。

ゲーム1でのウルブズはペイント内得点を20得点に抑え込まれましたが、ゲーム2ではアンソニー・エドワーズの16得点を筆頭にチームで44得点と修正に成功しました。平面のディフェンスでドライブコースを消しに来るサンダーに対して、エドワーズが強引でもペイントにドライブし、ディフェンスを収縮させてから両コーナーへ長いパスを展開すると、サンダーのローテーションも間に合わず、ウルブズは第1クォーターだけで3本のコーナースリーを決めています。

また、エドワーズが起点役を続けるとダブルチームを仕掛けられるため、ポストアップやオフボールムーブからシンプルなアタックを増やし、サンダーがヘルプポジションに入る前に決めきる狙いも成功しています。キックアウトパスでディフェンスを広げ、早い仕掛けでスペースを攻略していくのがウルブズの修正点でした。

これらの修正が機能し、前半のエドワーズは3ポイントシュートこそ7本中1本と決まらなかったものの、2ポイントシュートは11本中6本を成功させての16得点3アシストと、ゲーム1から劇的な改善を見せました。ところがチームとしては50得点しか奪えず、別の課題が浮き彫りになったのです。

エドワーズが効果的にペイントアタックをした反面、ジュリアス・ランドルは自分が攻めるスペースを見いだせず、前半はわずか2得点。後半も4得点のみで4クォーターはベンチに座り続けました。ルディ・ゴベアも5得点に留まっており、サンダーのスモールラインナップに対して高さの優位性を全くと言っていいほど発揮できませんでした。

エドワーズがドライブするならペイント内にスペースを作り、アウトサイドから決めきれるシューターを重視する形となりますが、後半の3ポイントシュートは15本中わずか2本の成功で、コーナーからは1本も決まりませんでした。『ペイント内得点』というゲーム1の課題が修正できても、オフェンスバランスは悪くなり、次第に失速していったのです。

このゲーム2ではサンダーも3ポイントシュートが決まりませんでしたが、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーとジェイレン・ウィリアムズの両エースがペイントへ侵入してからのジャンプシュートを多用し、2人で30、チームで58ものペイント内得点を奪いました。同じようなオフェンスの狙いであれば、日常的にやっているサンダーに分があることが明確に示されました。

ウルブズはジェイデン・マクダニエルズがシェイに抜かれると両手で押してフレグラントファウルを取られるなど、イラついているシーンも出てしまい、上手くいかない状況にチーム全体が戸惑いを見せています。ホームに戻ってのゲーム3で悪い流れを断ち切ることができるのか。プレーの面でもメンタルの面でも修正が必要になっています。