ペイトン・プリチャード

3ポイントシュートが復活「自分の才能を信じて打つ」

セルティックスはホームでニックスに連敗を喫したが、マディソン・スクエア・ガーデンに舞台を移しての第3戦で115-93の快勝を収めた。

先の2試合では持ち味の3ポイントシュートが100本中25本(成功率25.0%)しか決まらず、得点が伸びなかった。2試合いずれもロースコアの展開に持ち込まれ、20点のリードから追い付かれてニックスのクラッチ力に敗れることになった。単純なシュートタッチの良し悪しではなく、セルティックスの得意なハイペースの展開に持ち込み、そこからチームで良いシュートチャンスを作り出せるかが課題だった。

その課題にセルティックスは明確な回答を出した。3ポイントシュートの試投数は40本と彼らにとっては必ずしも多くはないが、20本(成功率50%)と確率良く決めた。スペーシングを改善してチームでチャンスを作り、打つべき選手が迷わず打ち切ることで、前半で3ポイントシュート19本中12本を決め、71-46と大量リードを奪う。過去2試合は終盤にガス欠に陥り、積極性を失ってニックスに逆転を許していたが、今回はペースを落とさず、ニックスに流れが行きそうな時間帯もオフェンスで取り返そうとするのではなくディフェンスで踏ん張った。

シュートスランプに陥っていたジェイソン・テイタムが3ポイントシュート5本成功を含む22得点を記録。まだ本調子ではないにせよ、戦う姿勢を前面に押し出してチームを引っ張った。ジェイレン・ブラウンが19得点、デリック・ホワイトが17得点、アル・ホーフォードが15得点、ドリュー・ホリデーは唯一2桁に届かなかったが8得点と、先発の5人がバランス良く得点を重ねたのは、テイタムとブラウンという両エースを擁しながらも個人に依存せず、チームで攻めたことを意味する。

それでもチームハイの23得点を挙げたのはシックスマンのペイトン・プリチャードだ。彼はこの試合での勝因を、リードした場面でのメンタリティだと語る。

「常にペースを保つことだ。この2試合はシュートに苦しんだけど、僕たちのシュートへの自信は揺らがない。ただ、それよりも大事なのは試合の流れをコントロールすること。つまり10-0みたいなランをやらせないことだ」

そのためにやるべきことは? プリチャードの答えはディフェンスへの集中とターンオーバーを減らすことだ。「賢いプレー選択をして、できる限りライブターンオーバーを減らす。ミスはゲームの一部で、どうしても起きるものだけど、相手のイージーシュートやトランジションスリーに繋がるような、試合の流れを一変させるリスクのあるターンオーバーは避けられる。あとは重要なタイミングを見極めてディフェンスを引き締めること。今日はそれができたと思っている」

ホームで連敗しての0勝2敗は考えられる限り最悪の状況だが、セルティックスは自信を失わずに戦い、1勝をもぎ取った。プリチャードは言う。

「相手への対策、ディフェンスの改善はきっちりやってきたから、試合になれば自信を持ってコートに立ち、思い切り良くプレーするだけだ。チャンスが来たら迷わず、自分の才能を信じて打つ。それが一番大事なことだと思う」

「崖っぷちだけど、ここから逆転すると考えるとワクワクするよ」とプリチャードは微笑む。「ただ全力で挑むんだ。僕らは自分たちがやるべきことを理解しているし、準備はできている」