ジョエル・エンビード

ケガを抱えながらのプレーで、わずか19試合の出場

現地2月28日、セブンティシクサーズはジョエル・エンビードが左膝の治療に専念し、今シーズンはもうプレーしないことを発表した。

昨年1月に左膝の半月板を痛めて2カ月の戦線離脱となり、プレーオフに間に合うように復帰したのだが、完治にはほど遠くダッシュもストップもジャンプもできない状況。それだけ動きが制限されても特にゴール下でのディフェンスとリバウンドでは力を発揮したのだが、チームを勝利に導くには十分ではなかった。

この膝の問題は今シーズンにも持ち込まれた。開幕には間に合わず、バック・トゥ・バック(2日連続の試合)の連戦でプレーすることを避けると発表。実際はもっとひどく、ここまでシクサーズが戦った58試合のうちエンビードが出場したのは19試合だけだった。

2月上旬、セブンティシクサーズのダリル・モーリー球団社長はエンビードの膝について、やるべき治療とリハビリはすべて行っていること、それでも腫れや痛みが出てしまえば休養させるしかないことを明かしている。

そしてエンビードは「家族を始め、いろんな人に後押しがあるおかげで『頑張ろう、前に進もう』というモチベーションを持ち続けているけど、正直キツいよ。自分のベストを尽くし、希望を持ち続けたい」と語るとともに、「問題があれば対処しなければならない。あらゆる選択肢を検討している」と、治療に専念することも示唆していた。

エンビードが今シーズン初めてコートに立ったのは開幕10試合目。それからの19試合、コンディションは一進一退を繰り返した。唯一希望が持てたのは年末年始で、11日で6試合の過密日程の中で5試合に出場し、そのすべてでプレータイムに制限がありながら27得点以上を挙げた。

それでも、そこで膝に再び腫れが出て再び1カ月の戦線離脱。復帰戦となったマブス戦で29得点11リバウンド10アシストで今シーズン初のトリプル・ダブルを記録するも、その後の3週間でコンディションは上がっていかなかった。このマブス戦を最後に勝利に見放されたシクサーズは現在9連敗中だ。

現在20勝38敗で東カンファレンス12位。プレーイン・トーナメント進出の最後の枠となる10位ブルズまでは2.5ゲーム差で、まだ可能性は残されているが、ポール・ジョージなど他の主力もケガを抱えながらプレーしている現状では、タンクに向かうと考えるのが現実的だろう。