ジェームズ・ハーデン

シクサーズとの関係修復はもう不可能かと聞かれて「そう思う」

ジェームズ・ハーデンは先週、スポンサーイベントの席でセブンティシクサーズのダリル・モーリー球団社長を「嘘つき」と批判し、「二度と彼がいるクラブの一員にはならない」と公言した。これにより彼はNBAから10万ドル(約1400万円)の罰金を科された。

リーグの団体協約では選手とその代理人がトレードを要求することが禁じられており、これに違反すると上限15万ドルの罰金あるいは出場停止処分を受ける。過去にもアンソニー・デイビスがペリカンズを離れる前に、代理人がトレード希望を公言したことで罰金処分を受けた。そのためトレード要求があるとしても、それは水面下で行われるようになっている。

ハーデンがこの規則を知らなかったはずはないが、よほど腹を立て、罰金を覚悟で自分の要求を知らせたかったのだろう。彼はチャリティ活動のために訪れたヒューストンで、地元メディア『KHOU11』に出演し、シクサーズとの関係修復はもう不可能かと聞かれて「そう思う」と言い、「この夏はずっと我慢してきた」と続けた。

契約最終年のプレーヤーオプションを行使すれば、シクサーズは彼をトレードするはずだった。移籍先の候補はハーデンが希望するクリッパーズ。しかし条件が折り合わず、シクサーズは交渉を打ち切った。ハーデンからすれば、シクサーズに残ってプレーするなら新たな契約がオファーされるべきであり、契約延長はしないしトレードもしないというシクサーズのやり方に納得できないのも無理はない。

モーリー球団社長にしてみれば、ジョエル・エンビードとハーデンのデュオでもう一度NBA優勝を目指すプランなのだろうが、ここまで強硬策を続けてもハーデンは折れず、態度を硬化させるばかり。ハーデンはあと1年はシクサーズの選手で、契約を遵守しなければならないが、スター選手の立場が強いNBAでは、体調不良やケガを理由にして試合に出ないことができないわけではない。今回の10万ドルの罰金についても、選手組合は異議を申し立てるとしている。

問題が長引けば長引くほど、解決は難しくなる。追い詰められているのはハーデンではなく、シクサーズの方だ。