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ビールの活躍で2桁点差を押し戻したウィザーズ

ウィザーズとクリッパーズの対戦。クリッパーズは開幕7連勝と素晴らしいスタートを切ったが、その後は13勝7敗とペースを落としている。対して開幕10試合で3勝7敗のスロースタートを切ったウィザーズは、その後勝率5割をキープし順位を上げている。

55-52とわずかながらリードを奪って前半を折り返したクリッパーズは、ボールマンへのディフェンスをハードにしてタフショットを打たせ、攻撃ではチームオフェンスをしっかり遂行し、JJ・レディックの3ポイントシュートなどで2桁のリードを奪う。

ウィザーズはこのような展開に陥ると、ズルズルと後退していってしまいがちなチームだが、この試合ではブラッドリー・ビールに牽引されて粘りを見せる。

ビールはアグレッシブにリングへアタックし、前が開けば3ポイントシュートを連続で沈めるなど、中外バランスよく得点を重ねた。第3クォーターだけで18得点の荒稼ぎを見せたビールの活躍で85-87と2点差まで戻し最終クォーターを迎えた。

13得点12アシストときっちり仕事をこなしたポールだが、終盤に失速しチームを勝利に導くことはできなかった。

指揮官のテクニカルファウルで決着

ビールとジョン・ウォールを休ませた第4クォーター序盤は我慢の展開となったが、残り7分を切って2人をコートに戻すと流れが一変する。ウォールがシンプルなピック&ロールでジャンプシュートを沈め、ビールが素早いトランジションから3ポイントシュートを決めて残り5分で同点に追いつく。

さらにトランジションからマークを見失ったクリッパーズディフェンスの隙をつき、ウォールのアシストからマーキーフ・モリスのアリウープが決まり、106-104と逆転に成功する。

デアンドレ・ジョーダンがフリースローを2本とも外したクリッパーズに対し、ウィザーズは高さのミスマッチを生かしたモリスのジャンプシュートで抜け出す。この直後、クリッパーズのヘッドコーチ、ドック・リバースがテクニカルファウルを犯し退場となり、それで得た2本のフリースローをビールが決め、116-108とウィザーズが一気に抜け出した。

ビールは今シーズンのサンズ戦で記録したキャリアハイの42得点に次ぐ41得点を記録。ウィザーズでシーズン2回以上40得点を挙げた直近の2選手はギルバート・アリーナスとマイケル・ジョーダンで、ビールもその領域に足を踏み入れた。

モリスが23得点9リバウンド3スティール、ウォールが18得点11アシストをそれぞれ記録した。

敗れたクリッパーズはブレイク・グリフィンが26得点、レディックが17得点、ジョーダンが13得点17リバウンド、クリス・ポールが13得点12アシストと主力が力を発揮した。だが勝負どころでのシュート精度の低下やフリースローの決定率、ヘッドコーチのテクニカルファウルなど細かな部分の積み重ねにより勝利を逃した。

ウィザーズは開幕から苦しいスタートとなったが、ここに来て調子を上げ3連勝を達成。東カンファレンスは3位のセルティックスまで2.5ゲーム差と混戦が続いている。ビールがケガなくプレーし、ウォールとのケミストリーがこの調子で上手く行けば、プレーオフ上位進出も見えてきそうだ。

リバースとの高さのミスマッチをついてシュートを決め、勝利を引き寄せたモリス。