要所でエナジーを発揮、チームに勝利をもたらす
11月18日、琉球ゴールデンキングスはアルバルク東京を相手にホームでの連敗を3で止める大きな勝利を挙げた。
この試合、要所でチームに勢いを与えたのが田代直希だ。前日の負けの流れを引きずらないことが大事な試合の出だしに、チームが必要としていたインサイドへのアタックで得点を挙げて攻撃のリズムを作る。さらには試合を通して田中大貴を相手にタフなディフェンスでくらいついて大暴れを阻止。第4クォーター中盤には一度はシュートブロックされるが、その弾かれたボールを捕球してオフバランスからねじ込むビッグプレーを決めたのも琉球に大きな弾みとなった。
「昨日も気持ちは一緒でしたけど、映像を見たらもっと詰められる場所がオフェンスでもディフェンスでもあったと思いました。そういうところを今日はすごく意識してプレーしました」
自身のプレーをこう振り返る田代は、フィールドゴール10本中5本成功の13得点、4リバウンドと、前日の6得点(フィールドゴール7本中1本成功)を大きく上回ったが、「スタッツは気にしていなかったです」と、何よりも気持ちを出して激しいプレーすることを重視した。
「チームにエナジーを与えるようにと思ってプレーしました。実際にそれができたかどうかは分からないですが、僕自身の持っているものは全部出せました。今日みたいに自分の気持ちを前面に出してプレーすればこそ、(冒頭で触れた第4クォーターのタフショットのような)ああいう振り向きざまのシュートが入ったりする。スタンダードとして自分のエナジーを出せば良いプレーに繋がると、あらためて発見できました」
危機感を持ってチャンスを迎え、先発に定着
日本代表の田中大貴とのマッチアップについても、及第点以上の自己評価を与えている。「今日も田中選手に10点取られていて、止めるのは難しく守れたとはいえないです。ただ、自分の中ではすごくプレッシャーを与えられた。田中選手も嫌がった場面があったので、そういったことができれば僕のディフェンスは効いたと思います」
「オフェンスでは、リングにアタックすることを意識して、相手の隙を突けたことは良かったです。ただ、効率的なショットが打ててない場面がいくつかあり、修正することが必要です」
今回、琉球にとってA東京とは約2週間前に敵地で激突したのに続く対戦だった。田代にとって、前回の対戦となる11月2日は須田侑太郎の故障を受け、先発起用が始まった時でもあった。当時、彼はこの先発起用を「ここでアピールできないと次のチャンスはない」と意気込んでいたが、あれから先発の座をキープしている。これこそ、彼がチャンスをものにした確固たる証拠と言える。
昨シーズンから琉球は積極補強を推し進めているが、その中にあって田代は岸本隆一とならび大学を経てすぐに琉球に入団した生え抜き選手。琉球で育った選手の代表格として、彼がさらに存在感を高めていけるのか。そういう視点からも注目していきたいところだ。
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