「いつものエナジーが出せない感覚」
新型コロナウイルスの陽性判定者が続出しているBリーグは、週末のリーグ戦第16節のB1、22試合のうち17試合が中止になる事態となっている。
その中で2試合ともに開催できた川崎ブレイブサンダースは敵地でのサンロッカーズ渋谷戦を1勝1敗で終えた。藤井祐眞は「昨日の試合からカムバックできたところが一番良かったと思います。タフな試合を勝ち切ることができて良かったです」と、勝利した第2戦を振り返る。
藤井が言うように、第1戦で相手のプレッシャーディフェンスをモロに受けた川崎は24ものターンオーバーを犯した。特にショーディフェンスを受けたガード陣は、藤井と篠山竜青がともに4ターンオーバーを喫し、試合のリズムを作ることができなかった。
指揮官が「コンディションの問題で、竜青の方が良かったから代えました」としたように、藤井はSR渋谷戦で今シーズン初めてベンチからの出場となった。第3者からしたらベンチから出場してアグレッシブなディフェンスでチームに勢いを与えているように見えたが、藤井は「いつものエナジーが出せない感覚で身体も動かなくてチームに迷惑をかけました」と、自身のパフォーマンスに満足がいっていないようだった。
それでも『川崎らしさ』を出せずに敗れた第1戦から、見事に立ち直り第2戦を制したのは素晴らしいことだ。ただ、リーグ優勝を目指すチームとしては、第1戦のような敗戦はなくしたいところが本音である。
藤井も「本当はああいう負け方はしてはいけない」としつつも、このコロナ禍でコンディションを整える難しさを訴えた。「水曜日のA東京戦(天皇杯準々決勝)がなくなったり、いろんなチームの試合がなくなったりと、Bリーグの中でいろいろなことが起こっていてバタバタしていたのもありますし、やっぱり集中力が欠けていたのかなと感じます。それでも、あの負けからチームでしっかりと切り替えて、集中し直すことができて試合に挑めて良かったです」
「上位チームとの直接対決で絶対に連敗はしてはいけない」
今節、2試合ともに開催できたのは、SR渋谷vs川崎戦と富山グラウジーズvs秋田ノーザンハピネッツ戦の2ゲームのみだ。群馬クレインサンダーズvs島根スサノオマジック戦は第1戦終了後に群馬の選手が発熱を訴えて新型コロナウイルスの疑いがあったため、急遽第2戦は試合の中止となった。
このように明日の試合が開催できるかも分からない状況では、フラストレーションが貯まるのも当然だ。ただ、コロナ禍でのレギュラーシーズンが続く以上はこの状況と向き合わなければならず、今後もバスケット以外の面でのストレスは続くだろう。
そして、この苦境に直面しているのはどのチームも同じだ。川崎は現在21勝7敗で東地区2位を走っている。ただ、1位の千葉ジェッツから6位のSR渋谷までゲーム差はあまりなく、一つのきっかけで順位が変わることもありえる。その中でチャンピオンシップのホーム開催権、そして地区優勝を目指すためにも、藤井は「上位チームとの直接対決はまだ残っているので、そこで絶対に連敗はしてはいけない。悪くて1勝1敗」と気を引き締める。
ここまでの川崎は、千葉、宇都宮、A東京、SR渋谷を相手に、1勝1敗で終わっている。藤井は言う。「本当に連勝する気持ちで望みますけど、どんなに悪くても連敗はしないようにチームでやっていかないといけません。それがチャンピオンシップでの戦いにも繋がると思います。特に上位チームとの直接対決では意識して戦いたいです」